管理者不明の「勝手橋」、福島県が一部を撤去へ いわき市の宮川 台風13号被害で浸水対策示す

 昨年9月の台風13号に伴う大雨で氾濫した福島いわき市の県管理河川「宮川」に、管理者不明の「勝手橋」が複数架かっていた問題で、県は利用されていない橋を撤去する方針を固めた。住民の理解を得ながら2024(令和6)年度以降に着手する。

 21日、いわき市で開かれた新川・宮川浸水対策検討会で県が示した。県によると、浸水流域の3キロ区間に架かる24本のうち9本が管理者不明の橋。線状降水帯の大雨で一部の橋に流木などが引っかかり、東北大災害科学国際研究所の検証チームも越水の一因になった可能性を指摘している。

 県は宮川や、同じくいわき市で氾濫した「新川」の河川改修を検討しており、勝手橋が改修の支障になる可能性も踏まえ、漂流物が引っかかりやすい橋脚のある橋から優先的に撤去したい考えだ。県いわき建設事務所の担当者は「地域生活に密着しているので、近隣の橋との統廃合も含めて住民の理解を得ながら進めたい」としている。

 また県は、作成途中だった宮川と新川上流の浸水想定区域図を4月をめどに公表すると明らかにした。公表後に市のハザードマップに反映される見通し。

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