宮古出身の及川蓮志さん、23日センバツ初戦 日本航空石川1年

「みんな応援してるよ」―。被災を乗り越え、夢の甲子園に立つ及川蓮志選手とチームメートにエールを送る家族たち=宮古市上鼻

 能登半島地震で被災した石川県輪島市の日本航空高石川は23日、甲子園球場で第96回選抜高校野球大会の初戦に臨む。宮古西中出身の及川蓮志(れんじ)選手(1年)もベンチ入り。地震後、山梨県に拠点を移しても希望を捨てずに練習を続け、夢切符をつかんだ。約50年前に甲子園出場の経験がある祖父の誠さん(69)=宮古市上鼻=ら家族は現地で声援を送る予定で「どんな時も仲間を鼓舞し、石川県のためにも一生懸命にプレーしてほしい」と楽しみにする。

 「蓮くん 体に気をつけていってらっしゃい!」。15歳だった及川選手を、遠く石川県に送り出す時に張り出してちょうど1年。目指してきた場所で入場行進する「背番号16」に父将司さん(40)、母美由紀さん(40)は「かなったんだな」と感慨深げにテレビを見つめた。常総学院(茨城)との初戦は、家族6人でスタンドから見守る。

 「一生懸命やってきた成果だ」と誇らしげに語るのは誠さん。宮古水産時代の1972年、三塁手として夏の甲子園に出場した。時代は変わっても高校球児にとっては特別な場所。祖母えり子さん(69)は「孫が同じ甲子園に立つことがうれしくて、うれしくてたまらないの」と代弁する。

被災した学校の再開を待ちながら、地元宮古市で練習に励んでいた及川蓮志選手=1月6日

 

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