病気で髪がない子を思い 2年伸ばし、ヘアドネーション 長崎・長与の6歳男児

提供する髪を手にする雄真ちゃん

 小児がんなどで髪を失った子どもに医療用ウィッグを贈る「ヘアドネーション」に協力するため、長崎県西彼長与町三根郷の石川雄真ちゃん(6)が16日、2年近く約70センチまで伸ばした髪を切った。「病気で髪がない子のためになればうれしい」と話している。
 上長与こども園に通う年長組の男児。姉真子さん(11)が2022年6月にヘアドネーションのため髪を切ったのをきっかけに「自分もしたい」と決意した。真子さんは食物アレルギーで長崎大学病院に定期通院し、髪がない子を間近に見てきた。付き添いで訪れていた雄真ちゃんも同じだった。
 長髪で女子と間違えられたり、友達から「どうして長いの」とからかわれたりしたこともあった。それでも「病気で髪がない子のため」と説明。いつしか「長いのが普通」と周囲に受け入れられていた。

伸ばした髪を切ってもらう雄真ちゃん=長与町嬉里郷

 卒園式を終えた16日夕、町内の美容室で約35センチ、4束をカットした。ヘアドネーションに取り組むNPO法人JHD&C(ジャーダック、大阪市)に送り、役立てる。
 母真理さんは「毎朝の髪の編み込みも本人は楽しんでいた。自分で決め、最後までやり通したことを褒めてあげたい」。雄真ちゃんは「寄付するために、また髪を伸ばしたい」と話した。

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