天皇、皇后両陛下 被災者をお見舞い 輪島朝市で黙とう

能登半島地震の被災地訪問のため、能登空港に到着された天皇、皇后両陛下=22日午前10時55分(代表撮影)

 天皇、皇后両陛下は22日、能登半島地震で被害の大きかった輪島市と珠洲市の被災者を見舞うため、石川県を訪問された。火災で大半が焼失した輪島市の「輪島朝市」で黙とうし、犠牲者を悼んだ。輪島市と珠洲市で避難生活を余儀なくされている人たちと面会し「お体を大事に」などと励ました。

 両陛下の石川入りは国民文化祭(いしかわ百万石文化祭2023)の開会式に会わせて金沢市などを訪れた昨年10月以来で、能登入りは即位後初めてとなる。

 両陛下は午前10時50分ごろ、羽田発の特別機で能登空港に降り立った。同社の井上慎一社長、県能登空港管理事務所の松茂之所長が先導し、馳浩知事、県警本部の細田正本部長の出迎えを受けた。

 天皇陛下は黒いタートルネックに濃いグレーのスーツ姿、皇后陛下は黒いタートルネックに明るめのグレーのブレザー、黒いズボン姿で、馳知事から「おはようございます」と声を掛けられると笑顔を見せた。

 午前中は能登空港ターミナルビルで馳知事から被災状況などの説明を受けた。

 自衛隊のヘリコプターに乗り換え、午後に輪島市中心部に入り、輪島朝市通りを坂口茂市長の案内で視察した。瓦やガラス、コンクリートが散乱する焼け跡を前に、深々と頭を下げた。市ふれあい健康センターでは、膝をつき「おけがはなかったですか」と声を掛けて回った。

 その後、自衛隊ヘリで珠洲市へ移り、避難所の緑丘中で泉谷満寿裕市長から被災状況を聞いた後、被災者と面会した。津波に襲われた飯田港では、黙とうをささげた。

 両陛下が発生間もない被災地に足を運ぶのは、台風19号などで被害が出た宮城、福島両県を訪問した2019年12月以来となった。

バスから手を振る天皇、皇后両陛下=22日午後1時半、輪島市河井町

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