奥能登の教員異動1割減 教職員人事 児童生徒のケア優先

 石川県教委は22日、4月1日付の公立学校教職員人事異動1468件を発表した。能登半島地震で被災した児童生徒のケアを優先するため、奥能登4市町の小中学校の異動は最小限に抑え、新たに赴任する教員は前年度比1割減の91人となった。道路事情の悪化も考慮し、教員の通勤時間が短くなるように調整も行った。

 異動件数1468件は前年度の1530件と比べて4.1%減った。特に奥能登では児童生徒と関係を築いた教員をできる限り据え置き、地震で精神的に不安定になっている児童生徒の不安を和らげることとした。

 県教委は地震後、教員に改めて希望を聞き取り、例年以上に通勤環境を鑑みた人員配置を行った。地震後は20人の教員が奥能登での勤務を志願し、18人の赴任が決まった。住まいは9月に穴水町の旧向洋中グラウンドで完成予定の仮設住宅を提供するが、4月当初から勤務しやすいように前任者のアパートを引き継ぐなどの手配をしているという。

  ●女性管理職42.9% 7年連続最高更新

 校長や教頭には女性72人を新たに登用し、女性管理職の総数は前年度比3人増の293人となった。管理職全体に占める女性比率は42.9%と7年連続で過去最高を更新した。

 人事異動の件数を校種別にみると小学校721件(前年度755件)、中学校396件(前年度407件)、高校265件(前年度261件)、特別支援学校86件(前年度107件)で、小中学校では異動件数の28.6%に当たる319件で市町間異動を行った。

 新規採用者は321人(323人)と14年連続で300人を超えた。内訳は小学校が134人、中学校84人、高校50人、特別支援学校27人、養護教諭10人、事務職員6人、実習助手5人、寄宿舎指導員3人、栄養教諭2人だった。

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