完成度の高さは今大会屈指! 広陵のエース高尾響が安定感抜群の投球を披露。バッテリーを組む只石貫太も攻守に高い能力【センバツの逸材たち/第4日】

昨年秋の地区大会優勝校が3チーム登場した選抜高校野球大会第4日。最も強いインパクトを残したのが広陵のエース、高尾響だ。昨年秋の明治神宮大会では不本意な投球に終わったが、この日は立ち上がりから安定感抜群のピッチングを披露し、四国大会チャンピオンの高知打線を7回まで無失点に抑え込む。8回には味方のエラーで1点は失ったものの、被安打5、自責点0、11奪三振で1失点完投勝利を収めた。

特に圧巻だったのが8回のピンチの場面で、この日最速となる145キロをマークするなど明らかにギアを上げていることが分かった。緩急をつけるカーブ、鋭く変化するスライダーとカットボール、ブレーキのあるフォークと変化球も全てが高レベルで、完成度の高さは今大会出場している投手の中でも屈指である。もしプロ志望ということになれば、マークする球団は多くなるだろう。

その高尾とバッテリーを組む捕手の只石貫太も高い能力を見せた。打撃では第2打席でレフトへのエンタイトルツーベースを放つと、守備でも6回に落ち着いた送球で盗塁を阻止。8回に飛び出したサードランナーを刺そうとしたボールが悪送球となったのは反省点だが、それでも終始落ち着いたプレーぶりで高尾をリードした。こちらもプロ志望なら注目度は高くなることは間違いない。

投手では平悠真(高知)と関浩一郎(青森山田)の2人も高いポテンシャルを見せた。平は5回から2番手として登板。広陵の強力打線を相手に5イニングを投げて被安打2、1失点、5奪三振と好投を見せた。183㎝・84㎏という体格の割にまだ力強さは物足りないものの、最速143キロをマークしたストレートと鋭く落ちるフォークのコンビネーションが光った。夏までにもう少し出力が上がってくれば、高校からのプロ入りも見えてくるだろう。

関も先発して8回を3失点と好投。187㎝の長身ながら動きにギクシャクしたところがなく、スムーズに上から腕が振れており、ボールの角度が大きな持ち味だ。斜めに鋭く変化するスライダーも面白いボールで、こちらも夏まで追いかけたい好素材である。

構成●THE DIGEST編集部

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