堂安律は「目の色が変わった」と表現。北朝鮮指揮官はHTに何を伝えた? 森保監督は「素晴らしいチーム」と敵ながら天晴れ

[北中米W杯アジア2次予選]日本 1-0 北朝鮮/3月21日/国立競技場

森保ジャパンは3月21日、北朝鮮とホームで対戦。鋭い出足を見せ、なんと開始80秒で田中碧が先制点を挙げた。スタジアム全体の雰囲気を含め、ここから大量得点が期待されたが、その後はチャンスを作りながら、なかなかゴールを奪えない。

そのまま1-0で折り返すと、単純なミスが目立ち、明らかに出来の悪かった北朝鮮が激変。堂安律は「後半は相手の監督が喝を入れたのか、目の色を変えて戦ってきた」と振り返ったように、一気にプレー強度が増した結果、日本は反撃を受け、劣勢を強いられた。

それでも、5戦8失点と守備に大きな課題を残し、8強止まりに終わったアジアカップの際のように、同点、逆転は許さず。きっちりとリードを守り切り、勝点3を積み上げた。

いったいなぜ、ここまで北朝鮮の出来が変わったのか。堂安が推測するように、指揮官の喝が効いたのか。試合後の会見で、「前後半で試合内容がすごく変わった。ハーフタイムにどういった指示を出した?」という質問が飛び出したが、シン・ヨンナム監督は答えを示さなかった。

「チーム内での戦術や、そういった内容に関しては、ここでは言葉を控えさせていただく」

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一方で、森保一監督は北朝鮮の戦いぶりにハッキリと言及。「選手たちが個々に非常にハードワークできる、そしてチームとしてやろうとしている戦術を徹底できることにおいて、本当に素晴らしいチームであり、選手が揃っているなと思った」と率直な感想を伝えた。

「組織的に我々の攻撃を止めながら、よりパワーを持ってカウンター攻撃を仕掛けてくることは予想していたなかで、幸運なことに我々が先制点を早い時間帯に奪い、優位に試合を進められた。ただ、北朝鮮のプレッシャーを前に、簡単に、我々が思い描いたような攻撃はできず、粘り強さやキーパーが何度も好セーブをする集中力があり、全く切れない、最後まで戦い抜けるチームだなと。

後半、よりパワーで仕掛けてきて、我々にとって非常に厳しい戦いになった。彼らのファイトはとても素晴らしかった。また次の対戦の時には、非常に厳しい戦いが待っているなと思わせてくれる好チームで、良い選手が揃っていると思う」

森保監督は改善点を問われ、真っ先に「決定力」を挙げた。急遽平壌での開催が中止となり、不透明な部分が多い異例の事態ではあるが、26日に予定している再戦では、得点を重ねるべき時に重ね、早いうちに120%自分たちのペースに持ち込みたいところだ。

取材・構成●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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