北海道の泊原発に新たな"防潮堤"…3月28日に工事開始 完成時期は未定も「着工後3年が目標」 次世代半導体工場など電力需要の増加に備えも 北海道電力

北海道電力が発表した新たな防潮堤のイメージ図

北海道電力は3月22日、北海道の泊村にある原子力発電所で、原子炉を津波から守るための新たな防潮堤の設置工事を3月28日から始めると発表しました。北海道電力によりますと、新たな防潮堤の高さは海抜19メートルで、地中の強固な岩盤を土台にし、直接防潮堤を支える「岩着支持構造」を採用。地震による液状化を防ぎ、安全性の高さを確保しました。延長は1.2キロで、発電所をぐるりと囲む形にしています。総工費は約1800億円で、完成時期は未定としていますが「現状考え得る工程短縮方策を織り込み、着工後3年ほどでの完成が目標。少しでも早い防潮堤完成を目指していく」としています。

北海道電力が発表した新たな防潮堤のイメージ図

千歳市に進出する、次世代半導体製造「ラピダス(東京)」の工場の2027年の稼働に伴い、北海道内の電力使用量の増加が見込まれる中、津波対策を整えることで再稼働の道筋を示し、安定供給に向けた準備を加速させることが狙いとみられます。北電は「泊発電所の安全確保に万全を期すことで、皆さまに信頼していただける発電所を目指していく」としています。泊原発では、再稼働に向けて、原子力規制委員会による審査が進んでいて、2015年に基準津波の高さが変更。元々あった防潮堤では基準を満たさないため、原子炉を津波から守る防潮堤を新たに作り直すことになっていました。

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