【高松宮記念/追い切り診断】初スプリントの想定“10人気前後”に高評価 「さっそく結果を残しても不思議ないデキ」

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■ソーダズリング

【中間調整】桜花賞3着などの実績があるソーマジックの第8仔。上のきょうだいにマジックキャッスル(秋華賞2着など)、ソーヴァリアント(チャレンジC連覇など)がいる良血馬だ。昨年の3歳シーズンはフローラS2着でオークス切符を掴むも、本番では出負けが祟って8着。ローズSではレコード決着となる速い流れでも折り合いを欠き、8着に終わってしまった。主戦・武豊騎手の進言があり、以降は距離を短縮した路線を歩むことに。京都芝マイルの自己条件戦を快勝すると、中山マイルのターコイズSでは4着。そのターコイズSでも力みがあったようで、さらに距離を縮めた7F戦・京都牝馬Sでいい脚を使って待望の重賞初挑戦を挙げている。

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前走内容を踏まえ、武豊騎手から“1200mでも”の進言があり、電撃6FのGIへ進むことに。短期放牧を挟んで3月9日に栗東へ帰厩。1週前となる13日の坂路併せ馬が中間の初時計だった。当日は降雨の影響でかなり走りにくいコンディション、しかも馬場が荒れた時間帯ながら楽な手応えを保って追走先着。時計も4F51秒4(馬なり)と馬場状況を考えれば秀逸な数字だった。

【最終追い切り】レース当週は不動の主戦・武豊騎手を背に坂路単走。いかにも走りへのモチベーションが高そうな雰囲気で、序盤から速いラップを刻んでいく。ブレの少ないフォームを保って登坂し、ラストはまったく無理をさせずとも、グンと体を沈めて切れた。

【見解】もとから稽古で動く馬ではあったが、短距離路線にシフトしてからは馬が適性に目覚めたのか、以前に増してシャープな動きを見せている。前走時の動きも惚れ惚れするものがあったが、今回はそれ以上の鋭さと迫力がある。渋った馬場での走りが未経験だが、力を要する状態だった1週前の坂路での動きから、そこまで苦にしないのではないか。初の1200m戦がGIという試練だが、さっそく結果を残しても不思議はない。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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