激しい損傷、つらら状の「燃料デブリ」も?ドローンで撮影、内部映像でわかったことは…東京電力福島第一原発

東京電力は21日、福島第一原発1号機で行われた内部調査の映像を公開しました。公開された映像はおよそ10分。溶け落ちた核燃料=燃料デブリとみられる映像も映っていて、東電は取り出しに向けた検討を進めています。

赤茶色に覆われた室内。高温で湿度も高く、映像はくもっています。3月14日に行われた1号機の内部調査の映像で、ドローンで撮影されました。

ドローンは離陸し、さらに奥へと進んでいきます。格納容器を支える台座付近で、カメラはあるものをとらえます。つらら状に垂れ下がる、赤茶色の物体。燃料デブリの可能性があるとみられています。

東日本大震災で水素爆発し、メルトダウンを起こした1号機。別のドローンの映像では、配線や機器が散乱し、がれきのようなものも見えます。

画面左手に見える機器は、本来はボルトの部分が、下になっていなければなりませんが、上下逆さまになっていて、損傷の大きさを物語っています。

さらに、別の映像では、高い放射線量の影響で、画面に白いノイズが入り込んでいます。東電は、燃料デブリの取り出しに向け、映像の分析を進めていくことにしています。

ドローンが内部に 映像からわかること

ドローンを使った空気中の調査は、1号機では建屋内の水位が低く、水中調査だけでは中の様子がわからなかったため行われました。こうした状況は、建屋ごとに異なっていて、たとえば3号機は、水位が高いため、空気中の調査は行われていません。

今回、初めてドローンを使った調査が行われ、格納容器の中をぐるりと飛行して、撮影が行われました。

何がわかったのかというと、まずは、損傷の激しさです。たとえば、燃料デブリがあると思われる場所につながる入口は落下物でふさがっていました。また、下向きについているはずのボルトが上下逆さまになっていることも確認されました。そして、つらら状の燃料デブリとみられる堆積物も確認されました。

東電は、「初めて空気中に堆積物があることを確認することができた。今後の取り出しの向けて方法を考えていく」としています。

内部は極めて放射線量が高く、かなり大がかりな作業になることが予想されますが、安全かつ確実な取り出しが求められます。

© 株式会社テレビユー福島