●5月3~5日、能美
5月3~5日に能美市内で開かれる九谷茶碗まつり(北國新聞社後援)で、能登半島地震の復興応援を目的に、輪島塗の販売ブースが初めて設けられることが決まった。南加賀を代表するイベントに珠洲焼を含む約10業者の出店を見込み、奥能登の伝統工芸の奥深さを発信する。九谷の里で地場産業の魅力を「オール石川」で売り込み、北陸新幹線県内全線開業のにぎわいを取り込む。
今回で115回目の歴史を刻む九谷茶碗まつりでの輪島塗業者の出店は初めて。「頑張ろういしかわの伝統工芸」と銘打ち、輪島塗の業者や珠洲焼の作家が根上総合文化会館の会場にブースを構える。まつりの運営委員会が出店料を負担して無料とし、宿泊費も一部支援する。
昨年の茶碗まつりには3日間で県内外から8万8千人が訪れた。今年の開催内容を検討するに当たり、九谷焼業者で構成する運営委員会メンバーから、震災で大打撃を受けた輪島塗の再生を支援したいとの声が上がった。地場産業をアピールできる南加賀の一大イベントを通じて販売促進を図ってもらい、事業の早期の立て直しを後押しする。
茶碗まつりは能美ふるさとミュージアム隣の和田山、九谷陶芸村を含む3会場で開かれ、実店舗を含めて約50店が掘り出し物や名品などを並べる。
既に複数の輪島塗業者が出店の意向を示しており、県陶磁器商工業協同組合の岩田克久理事長は「ともに九谷焼と同じく石川を代表する伝統工芸であり、有力な観光資源。関係者と協力して復興につながる活動を後押ししていきたい」と話した。