庄川の魅力デジタルで 砺波市教委「ジオさんぽ」公開 3D、VRの動画充実

「庄川ジオさんぽ」の魅力を紹介する関係者=砺波市役所

  ●古文書、絵図分かりやすく

 砺波市教委は22日、庄川に関する水資料の価値や魅力を伝えるデジタルコンテンツ「庄川ジオさんぽ」を制作、公開した。3DデータやVR(仮想現実)などデジタル技術を駆使して庄川流域のバーチャルツアー体験や動画コンテンツなどを楽しめ、古文書や絵図も分かりやすく理解できるのが特徴で、流域の豊かな自然や歴史、文化などの魅力を広く伝えていく。

 庄川の特徴を「庄川とは」「自然」「歴史」の三つの視点で取り上げ、県内で2番目に長い川で流域面積の93%が山地などの特徴を紹介。岐阜県高山市の烏帽子岳近くの源流から飛騨高地の谷間を流れ、砺波平野を経て日本海に注ぐ様子を上空からの動画で追い、庄川の流路が時代を経て東側に変遷し、加賀藩の治水工事などを経て現在に至るまでの歴史をひもとく。

 四季ごとに移り変わる庄川の魅力や厄払い鯉の放流や弁財天社御開扉など祭りや伝統行事などのテーマに合わせて流域のバーチャルツアーや、庄川大仏と周辺を360度でVRで体験でき、3Dデータで大仏の模型をさまざまな角度で楽しめる。

 自然や歴史、暮らしなど庄川に関する250種類のデジタルコンテンツからキーワードで絞り込み、検索、閲覧できる。ドローンで撮影した空撮動画や、庄川地域の住民から提供された祭事や治水に関する道具の解説動画も見ることができる。

 さらに高精細カメラで撮影した古文書や、絵図のコンテンツでは、読み解くことが難しい古文書に現代語の読み下し文を重ねたり、絵図を拡大して説明を重ねたりして分かりやすく読むことができる。

 庄川水記念公園にはQRコードを掲載したサイン柱15基も設置し、現地でも動画コンテンツを視聴できる。市教委はデジタル田園都市計画国家構想交付金を活用し、新たに動画コンテンツ20点や絵図、VR17点などを含むホームページやサイン柱を制作した。

 市教委の担当者は「観光情報や小中学生には庄川の学習に活用し、現地に足を運んでほしい」と話し、今後は住民らから写真などの資料の提供を受けながらコンテンツの充実を図っていく。

 庄川ジオさんぽのアドレスは、https://shogawa1073.jp

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