輪島朝市「再開」胸高鳴らせ準備 23日、金石で出張開催

出張輪島朝市の準備を進める出店者=金沢市金石西1丁目

  ●海産物や漆器組合から29店出店

 23日、金石港周辺で出張開催される「輪島朝市」を前に、22日、会場でテントの設営が行われた。大規模火災で商いの場を失った出店者たちは「こんなに早く再開できるとは思わなかった」「皆さんに元気な姿を見せたい」と話し、商売できる喜びに胸を高鳴らせながら準備を進めた。

  ●会場でテント設営

 「出張輪島朝市in金石」(北國新聞社後援)と銘打ち、輪島市朝市組合から29店が出店する。22日、金沢市金石西1丁目の県漁協金沢支所には輪島朝市のシンボルであるオレンジ色のテントがずらりと並べられ、一部の出店者は商品の陳列も行った。

 干物専門店を営む池端麗子さん(73)=輪島市河井町=は「被災してから商売をするのは初めてなのでうれしい。応援してくれる金石の皆さんに感謝している」と笑顔を見せた。別の出店者も「当分再開できないと思っていたのでありがたい」と話した。

 23日は午前7時半からオープニングセレモニーが行われ、朝市は午前8時から正午ごろまで営業する。鮮魚や干物、刺し身といった海産物のほか、輪島塗の商品や雑貨などが売り出される。地元金石などからも9店が参加する。

 当日は金沢港クルーズターミナル、県金沢港大野からくり記念館の隣接地、かないわ海浜広場に特設駐車場を用意し、会場まで無料シャトルバスを運行する。

 輪島市の朝市通り周辺では1月1日の地震で大規模火災が発生し、約4万9千平方メートルが焼失した。現地での再開が難しい中、金石町商工振興会などが協力を申し出て、出張開催へ準備を進めてきた。

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