モスクワ銃乱射の死者93人に、容疑者11人拘束 ISが犯行声明

[モスクワ 22日 ロイター] - ロシアの首都モスクワ近郊のコンサートホール「クロッカス・シティ・ホール」で22日、迷彩服に身を包んだ武装集団による銃撃事件が発生。ロシア連邦捜査委員会によると、死者は少なくとも93人となり、さらに増える可能性がある。

過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出した。

一方、インタファクス通信は、ロシア大統領府の発表として、連邦保安局(FSB)が直接関与した4人を含む11人を拘束したとプーチン大統領に報告したと報じた。

ISは同組織の戦闘員が「数百人を殺傷し、大きな破壊を引き起こした後、安全に拠点に撤退した」と表明した。

ロシア外務省は「テロ攻撃」と非難。事件を受け、モスクワでは空港や鉄道駅などの警備が強化されている。

ウクライナのポドリャク大統領府顧問は対話アプリ「テレグラム」に投稿したビデオで「ウクライナはこの事件に全く関与していない。ウクライナはロシア正規軍、およびロシア連邦と全面的な戦争状態にある。全ては戦場で決定される」と語った。

国内メディアは同コンサートホールで2回の爆発があったと報道。ビデオ映像によると、火災が発生し、上空に黒煙が立ち上った。ヘリコプターを利用した空からの消火活動が続けられたが、RIAはホールの屋根が崩壊したと報じた。

クロッカス・シティ・ホールの座席数は6200席。この日はロックバンドのコンサートが開かれる予定で、チケットは完売していた。

<米が攻撃の可能性を警告>

米当局者は22日、ISの犯行声明を確認する情報を持っていると述べ、米政府がここ数週間、ロシア政府に対し攻撃の可能性を警告していたと語った。

FSBは今月初め、IS関連組織「ISIS-K」によるモスクワのユダヤ教礼拝堂襲撃を阻止したと発表。在ロシア米国大使館はこの直後、過激派が近くモスクワで攻撃を行う計画を立てているとし、在留米国人に注意喚起していた。

プーチン大統領は2015年にシリア内戦に介入し、同国の反体制派とISと対立するアサド大統領を支援することで内戦の流れを変えた。

安全保障問題などの研究や分析を行うソウファン・センターのコリン・クラーク氏は「ISIS-Kは過去2年間にわたりロシアに焦点を当て、プーチン大統領をプロパガンダで頻繁に批判してきた」と述べた。

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