カネミ油症 検診を受けた未認定70人のうち3人を認定 濃度重視影響か、次世代はゼロ

 長崎県は22日、本年度のカネミ油症検診を受けた未認定70人のうち、五島市内の70代男性、80代男女の計3人を新たに油症認定したと発表した。また2人が経過観察。70人のうち37人は、汚染油が出回った1968年2月以降に生まれた2世ら次世代だが認定はゼロ。
 県生活衛生課によると、認定は7日付。医師でつくる県油症対策委員会が5日付で知事に答申していた。
 油症の主因ダイオキシン類は母親の母乳や胎盤を通じわが子に移行した可能性があるが、そのダイオキシン類の血中濃度はおおむね低い。濃度重視の現行診断基準は、次世代の認定を阻む要因と指摘されている。
 油症発生時に認定患者と同居していて汚染油を食べた人を患者とみなす「同居家族認定」は随時申請を受け付けており、本年度は22日までに五島市内の60代女性1人を認定した。
 本県の認定患者数は同日現在、同居家族認定169人を含め998人(死亡、転居含む)。県内在住生存者は421人。

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