23日、金沢市金石地区で開かれた「出張輪島朝市」(北國新聞社後援)は身動きが取れないほどの人が詰め掛け、活気にあふれた。
鮮魚の露店を営む二木洋子さん(72)は「きょうが朝市にとっての初売り。ここまで来られるとは夢にも思っていなかったので本当にうれしい。金石の皆さんのおかげです」と感謝。テントに立って買い物客に「これがおすすめだよ」と声を掛けた。
輪島市の自宅が被災し、金沢市で避難生活を送る輪島塗職人の梅木定男さん(76)は家族と訪れ、朝市で働いていた友人と再会。「笑顔で頑張っている姿を見られてよかった」とほっとした様子だった。
加賀市に2次避難する輪島市の女性(73)は、避難先で出会った朝市の関係者に誘われて会場を訪問。「活気が懐かしく、すごく(輪島に)帰りたくなる」と話し、涙があふれた。
開催に先立つセレモニーで、冨水長毅(とみずながたけ)組合長は「来場者に笑顔で帰ってもらえるよう精いっぱい頑張りたい。復興までに時間がかかると思うが、今後も応援をよろしくお願いします」と話した。馳浩知事、村山卓金沢市長もあいさつした。
金石地区の子ども合唱団「うみの合唱団」が元気な歌声でエールを送り、輪島市の「輪島高洲太鼓」が力強い演奏を披露した。