やせたい50代におすすめの朝ごはん2選。【ツナサンド】ともうひとつは?【ダイエット】

マチュア世代のダイエットには、「何をどれだけ食べるか」よりも「いつ何を食べるか」が大事。これは、2017年にノーベル生理学・医学賞を受賞した「時計遺伝子」の研究をベースにした、体内時計をコントロールしてやせる方法です。管理栄養士の望月理恵子先生に、朝食のおすすめメニューをうかがいました。スパイスやDHA、EPAがキーワードです!

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朝カレーはダイエットにおすすめ

メジャーで大活躍した元プロ野球選手の活動の原動力は「朝カレー」と言われたことがあります。ご飯(炭水化物)、肉、魚介類、卵(たんぱく質)、にんじんや玉ねぎ(食物繊維)が入っていて、朝、体内時計(※)をリセットするにはぴったりです。

朝は夜より消費エネルギーが多く、胃や肝臓も活発に働き、午後にかけて活動性も高まるため、脂肪がたまりにくく、あまりカロリーを気にしなくても大丈夫。

また、朝カレーは冷え性の人にもおすすめです。体温は夜間に低く、早朝に最低になりますが、起床後、朝食をとると急上昇します。何種類ものスパイスが含まれるカレーは体を温める働きがあるので、長い間、末梢温度を上げ、冷え性改善に働くという研究もあります。

体を温める食材のかぼちゃ、れんこん、にんじん入りの根菜カレー、えび、たらなどを加えたシーフードカレー、クローブ、シナモン、唐辛子をプラスしたスパイシーカレーなどにするとより効果的。

朝からカレーはヘビーだという方は、スープカレーにし、少量のご飯かパンを添えれば(菅元首相も実践し14㎏減量したように)、ダイエット効果も期待できます。ただ、カレーは塩分が多めなので、血圧が高めの方は、朝は避けましょう。

※【体内時計】【体内のサブ時計】の乱れはダイエットの大敵!

私たちの体の中には体内時計があり、1日24時間の地球の動きに合わせて生体リズムを刻んでいます。
体内時計がずれると、生体リズムが乱れて、自律神経やホルモンが乱れます。食欲増進ホルモンが増え、食欲抑制ホルモンが低下するなどして肥満を招くのもその影響。体内時計のずれは、ダイエットの大敵といえます。
体内時計は、脳にメインの時計があるほか、内臓や筋肉、皮膚などにサブ時計がいくつもあります。

朝のツナサンドで集中力アップ! 余分な脂肪も代謝する

朝食がパン食の人なら、ツナサンドがおすすめです。ツナサンドもたんぱく質と炭水化物をセットでとれるので、体内時計をリセットする朝食にぴったりです。

それに加えて、ツナは魚油の有用成分であるオメガ3系脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)をとれる点でも二重丸。鮭缶、さば缶を使ってもいいでしょう。

DHAやEPAは脳を活性化させて、記憶力や集中力、判断力を高める働きがあることも知られています。脳の血管の老化を防ぎ、心疾患のリスクを低下させるなど、生活習慣病予防、認知症予防などにも一役買ってくれる成分です。

さらにDHAやEPAは中性脂肪やコレステロールを低下させる作用があります。

中性脂肪が高くなると、肝臓などに内臓脂肪を蓄積させて太りやすくなり、コレステロールの増加は動脈硬化や血栓の原因になりますが、DHAやEPAは、余分な脂肪を代謝して、肥満、動脈硬化の予防や改善に威力を発揮してくれます。

DHAやEPAは、夜よりも朝に吸収率が高くなり、脂質代謝能力がアップし、血液中や肝臓の中性脂肪が低下することがわかっています。

朝からお肉を食べるのが太りにくい体をつくるための基本

朝食にお肉を食べていますか?
朝から肉なんてムリムリ……という声が聞こえてきそうですね。

朝から肉をおかずに食べる人は少ないようですが、肉はたんぱく質が効率よくとれるので、朝に意識して食べたい食品なのです。

日本人は、朝のたんぱく質摂取量が少ないことがデータから明らかになっています。

たんぱく質は、3食均等に食べるほうが筋肉になりやすいことがわかっています。筋肉をつければ消費エネルギーが増えて、自然に基礎代謝が上がり、太りにくい体をつくることができます。朝、昼、晩の毎食、たんぱく質食品(肉、魚、卵など)を手のひら1枚分ずつくらいとるのが理想的です。とくに、たんぱく質が不足しがちな朝の時間に、肉をとることをおすすめします。

BLTサンド、ツナサンドをはじめ、目玉焼きならベーコンエッグにしたり、ソーセージを添えたりするのもいいですね。

朝食でたんぱく質を効率的にとることは、筋力維持はもちろん、サルコペニア(筋力低下)やフレイル(虚弱)の発症、重症化の予防につながります。

※この記事は『やせる時間に食べてみた!』望月理恵子著(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

※2023年2月25日に配信した記事を再編集しています。


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