スイスパビリオン 大阪・関西万博で最軽量450㎏!5つの球体 “世界で最も革新的な国”アピール

大阪・関西万博 スイスパビリオン(完成イメージ・全景)(C)FDFA, Presence Switzerland

スイス政府は3月19日、大阪・関西万博に出展するパビリオンの発表会を大阪市内で開催した。発表会は昨年、東京都内での開催に続いて2度目。

【画像】大阪・関西万博 スイスパビリオン“イノベーションの魔法”

スイスパビリオンは「ライフ Life」、「プラネット Planet」、「オーグメンテッド・ヒューマン Augmented Human(人間拡張)」という3つのテーマで展開される。

そして大阪・関西万博の会場で、エコロジカル・フットプリント(Ecological footpront 人間が自然環境にどれだけ負荷を与えているのかを示した数値・自然環境への依存度)が最少のパビリオンを目指す。
緑豊かな景観の中に、合成樹脂の薄い膜の軽量素材を用いた5つの球体で構成するパビリオンがお目見えする。重量は約450キログラムと、従来の建築物の1%程度。スイスがこれまでにパビリオンを出展した万博の中でも最も軽量となる。

球体も展示スペースの資材も、全てリサイクルが可能で、万博終了後は家具の素材などに再利用できるという。 環境への負荷を少なくし、資材はカーゴバイク数台で運搬することができるため、場合によっては球体のままで移設も可能。万博開催中のプログラムや展示については、3つの主要テーマをそれぞれ2か月ごとに順次紹介する。

【オーグメンテッド・ヒューマン(人間拡張)】ロボティクス、人工知能、拡張現実・仮想現実をテーマに 2025年4月13日~ 6月4日

【ライフ(生命)】生命科学、教育、健康、栄養をテーマに 2025年6月5日~8月12日

【プラネット(地球)】環境、サステナビリティ、気候、エネルギーをテーマに 2025年8月13日~10月13日

パビリオンのデザインチームの1人は「チーズや時計、美しい空間の印象が強いスイスだが、世界で最も革新的な国」と強調する。歴史家で「ルネサンス」という言葉を広めたことで知られるヤーコプ・ブルクハルトの教えや、ジュネーブ条約、赤十字など「民主主義」や「人道主義」が伝統的に根付く一方で、「革新的なスイス」をテーマに掲げ「革新的な強みが、持続可能性と人々の繁栄にいかに貢献するか」を紹介する。

”イノベーションの魔法”の球体が、スイスパビリオンの特徴とコンセプトとなる。

スイス政府代表、マヌエル・サルチリ氏は「建設コストは上昇したが、デザインや予算は変更することなく計画通りに進んでいる」と話す。今年(2024年)10月までに建物部分の建設を終え、来年2月末に内装が完成する見込み。

工事はスイスの建設会社「ニュスリ」が受注。 ニュスリ社は大阪・関西万博で、スイスのほかにオーストリア、クウェート、ウズベキスタンの4か国のパビリオン建設も手掛ける。

今年(2024年)、日本とスイスの修好通商条約が締結されて160年。スイスは大阪・関西万博でのパビリオン出展へ向けたコミュニケーションプログラム「Vitality.Swiss」を通じて、気候変動、高齢化社会、グローバルヘルス、デジタルトランスフォーメーションといった日本と共通の課題に対して、未来へ向けた解決策を訴えている。

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