協力隊の定住増へ研修会 県が新年度初企画、途中退任を抑止

 県は2024年度、着任から1年以内の地域おこし協力隊員を対象にした初の研修会を開く。県内の隊員数は増加傾向にあるものの、任期途中で辞めるケースがあるなど定住率は全国平均を下回る。活動の初期段階で心構えや地域との関わり方について理解を深めてもらい、隊員が望む活動内容と地域ニーズのミスマッチを防ぐことで定住率アップにつなげる。

 県移住定住・地域活力創生課によると、県内の隊員数(10月1日現在)は、19年度の89人(自治体数29)から22年度は112人(同30)に増えた。23年度は151人(同31)。最長3年の任期後も県内に残る定住率は上がっているが、22年度は62%と全国平均65.4%に届いていない。また、22年度は前年度よりも5人ほど多い約20人が任期途中で退任したという。

 県は定住に至らない理由に▽市町村がやってほしいこと、隊員がやりたいことのミスマッチ▽隊員と市町村のコミュニケーション、任期後のサポートの不足―の2点を挙げる。このため、県は24年度、春と秋に新隊員向け研修会を実施し、協力隊制度や活動地の市町村予算、地域との関わり方などを学んでもらうことにした。

 自治体側の受け入れ態勢にばらつきがあることも、課題とされている。24年度は、市町村職員向け研修会を従来の1回から2回に増やし、採用から任期終了後までの支援内容を共有してもらう。

 「隊員にはまず、地域を知り、住民の声に耳を傾けてほしい」と同課。隊員、自治体の双方の研修を通じて途中退任の抑止と将来的な定着を目指すとしている。

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