ロボ研(山形)、高梨製作所(河北)が選出 経産省・DX優良事例

 経済産業省は中小企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)先進事例として、全国32社を「DXセレクション2024」に選定した。本県からは、企業のロボットによる業務自動化(RPA)を支援する「あさひアカウンティングロボット研究所」(ロボ研、山形市、田牧大祐社長)と、デジタル技術で生産を自動化した「高梨製作所」(河北町、高梨健一社長)が優良事例に選ばれた。

 ロボ研はあさひ会計(山形市)のグループ会社で、社内のRPA推進チームが前身。社内では現在、197のRPAロボットが社員に代わり、業務に当たる。飛躍的な効率化効果を実感したことから、ノウハウを全国の企業に広め、日本の生産性向上に貢献しようと2019年に設立された。

 全国の企業向けに伴走型のRPA推進支援サービスを提供するほか、デジタル人材育成、セミナー開催も手がける。田牧社長は「中小企業に新たなテクノロジーを活用してもらおうと、社員は思いを一つに頑張ってきた。選定は励みになる」と語った。

 高梨製作所は社員にパソコンやタブレット端末を配り、製造データを共有して飛躍的な作業効率向上につなげた。生産管理システムやIoT(モノのインターネット)機器、独自のRPAツールを駆使して生産状況をリアルタイムで確認し、不良品発生を未然に防いでいる。

 社員が資格取得や専門知識習得を目指す学校への入学支援制度も用意。工場見学や事例紹介を通じてノウハウを他企業に伝え、地域のDXをけん引している。高梨社長は「業務効率化、間接業務の自動化を掲げ、社員全員が取り組んだ結果だ。さらに改革を進め、地域の模範になる」とした。

 全国のモデルケースになる企業を選び、DXと地域活性化を進めようと経産省が22年から選定を始めた。県内2社は県DX推進ラボが推薦した。2社は25日午後1時半から、山形市の県高度技術研究開発センターで開かれるDX実践セミナーで事例紹介する。

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