オリックス山下舜平大が開幕ローテ入り&規定投球回数達成へ「中6日のメニューで考えながらやっていた」【オリ熱コラム2024】

昨年の新人王、オリックスの山下舜平大が19日のDeNA戦(横浜スタジアム)で、今シーズンのオープン戦、最初で最後の登板を終えた。エース山本由伸、山崎福也の退団により、宮城大弥とともにダブルエースとしての期待が高まる山下は、宮城とともに今月行なわれた侍ジャパンと欧州代表の強化試合に出場。2回を無失点と最速159キロのストレートで押しまくる豪快なピッチングで、代表デビューを飾っている。

キャンプが明けて今月は、6日の侍ジャパンの試合(京セラドーム)と13日に行なわれた広島との春季教育リーグ(杉本商事BS)のみで、一軍のオープン戦に登板するのはこの試合だけとなった。13日の試合では4回を無失点に抑えており、順調な仕上がりをアピール。中嶋聡監督は中5日で山下をDeNA戦に登板させた。

試合は3回に牧秀悟に一発をバックスクリーンに運ばれるなど、4回2/3を99球、被安打7、与四球3、失点3という内容だったが、この日の目標だった100球近くは投げることが出来たことにより、山下の先発が予想される4月2日の西武戦(ベルーナドーム)に向けて、ここからさらに調整を進めていく。

降板後に山下は「とりあえず球数いけたのでそこは良かったと思います。まだ投球回数が少ない分、オープン戦のうちにしておきたいなと思ってたんで。はい。そこだけはいいかなと思います」と完投ペースの球数を開幕前の実戦で投げられたことには安心している様子。昨年は終盤に怪我で離脱したままシーズンが終わってしまい悔しい思いをしただけに、怪我なくここまで来れているのも安心材料になっている様子。

課題としてはカーブの制球を挙げる。
「初回あたりの真っ直ぐは悪くなかったんですけど、また球数を重ねていくとやっぱりバラつきだったりっていうのがちょっとあったんで、 あそこは練習しようかなと。初回と2回以降の真っ直ぐがちょっと落ちちゃったっていう。一人のバッターに球数が結構かかっちゃって、決め球が決めきれない場面がかなり多かったんで。カーブだったりフォークももう少しちゃんと使えれば良かったと思うんですけど、カーブがやっぱり大事かなと思います」

ストレートのバラつきが球数を要したことから、ストレートを安定させた上で、二つある変化球のうち特にカーブを効果的に使って緩急を武器にしていくことに磨きをかけていくという。
中嶋監督は「クイックのタイムが最悪」と盗塁を許した場面を指摘。「この前も全然だったし、気にしてはやってると思うんですけど、何かが違う。でも修正点がわかってるならいい」と自ら改善することを促した。開幕まで2週間を切って100球近く投げた球数に関しては「まだその段階なのかなっていう気はしますね。遅れてるっちゃ遅れてるかなと思う」と指揮官の中では調整の遅れも少し気になっているようだ。
23日のファーム・ソフトバンク戦(杉本商事BS)で、中6日での登板が濃厚となっていたが、あいにく試合は中止に。山下は「キャンプからトレーニングメニューだったりは中6日のメニューで考えながらやっていたんで、 まだまだ始めてすぐ効果が出るもんじゃないと思うので、続けていって。それが大事かなと思います」と意気込む。登板間隔には誤差が生じているが、今年はローテーションの一角として中6日で1年間投げ続け、初の規定投球回数の達成が望まれる。そのうえで、チームのリーグ4連覇、日本一奪還に貢献し、オフに行なわれる世界野球プレミア12の舞台で再び侍ジャパンのユニホームを着ることを目指していく。

取材・文⚫︎どら増田
写真⚫︎野口航志(D'sStyle)

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