学芸員が助成金を着服…丸木美術館、男性職員を懲戒解雇 勤務開始から約2年で169万円 寄付金は被害なし

助成金を着服、職員を懲戒解雇 丸木美術館=埼玉県東松山市

 埼玉県東松山市の「原爆の図丸木美術館」は22日までに、元男性職員が外部団体から受けた助成金など約169万円を着服していたと発表した。男性職員は2023年7月18日付で懲戒解雇処分を受けた。

 男性職員は学芸員として21年4月から勤務。学芸業務のほか、美術館活動に関する助成金の申請・報告を担当した。同館によると、21年ごろから23年3月にかけて、男性職員は、使いきれなかった助成金の残額を自身の口座に入金させるなどし着服していた。

 同年3月、男性職員が病気を装って欠勤を繰り返していたことが明らかになり、同館が助成金の会計を調査したところ発覚した。男性職員は不正行為を認め、返金する意思を見せているが、使途については話していないという。

 同館は美術館改修のため「原爆の図保存基金」を設置しているが、寄付金に被害はなかった。

 同館は再発防止策として、助成金の申請や出金の際は複数人でチェックする規定を策定。岡村幸宣専務理事(学芸員)は「非常に残念に思っている。再発を防止すると共に公正な運営に力を注ぐ」とコメントした。

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