プロの仕事に潜入! ~ドッグトレーナー編~

こんにちは。内田友賀です。

「ドッグトレーニング」というと、まだ「しつけ」や「問題行動修正」のイメージが強い日本ですが、最近は人と犬とのより良い共生をテーマにし、犬の社会化やQOLの向上なども目指したスクールが登場していますね。

今日は、マナーニが実施する“小学校での動物介在教育”のパートナーのドッグスクール「DOGSHIP(ドッグシップ)」さんへ、一日研修に行ってきました!

そこで知ったのは、想像していた何倍も細やかなケアがあることや、1日のスケジュールや環境設定にも全て意味があるということでした。そして何より、彼らのプロ意識と「命を守っている」という責任感を肌で感じることができました。

ぜひ、多くの方に読んでいただきたい「プロの仕事」の裏側レポです!

「DOGSHIP」って?

東京都港区南麻布に拠点を置く、設立10年目になるドッグスクールです。「犬をしつける」ドッグトレーニングから「犬から学ぶ」ヒューマン・ドッグトレーニングへ、をテーマに、個々の課題に注力しながら、群れ(集団行動)の中で得られる「学びと気づき」を、飼い主さんと愛犬の双方に提供しています。

飼い主さん自らが、家庭犬の本質である「イヌ」を学び、「個性」を観察し、そして人間社会で共生するためのルールを分かりやすく愛犬に教え導く事ができるようになることが目標。

愛犬に対するドッグトレーニングだけに留まらず、飼い主様も共に学ぶ「ヒューマン・ドッグトレーニング」なのです。

1日Crew研修、スタート!

≪乗船≫

SHIPという名前にあるように、船にちなんだ呼称のDOGSHIPさんでは、代表はCaptain(キャプテン)、スタッフはCrew(クルー)と呼ばれています。そして、スクールへの登校は「乗船」! いよいよ今日の航海がスタートです。

この日は13頭の犬たちが乗船します。安全運航を守るため、その日に乗船する犬たちの情報をCrewで共有し、担当犬が割り振られます。多い時には5頭ほど担当することもあるそうですが、新人Crewの私は「Renoくん(トイプードル・5か月)」1頭を担当させてもらいました♪

乗船時には、飼い主さんから最近の様子や生活上の課題などを伺い、その内容によって1頭ずつその日の目標が決まります。

≪フリータイム≫

生徒犬が乗船したら、まずはフリータイム。その日の調子やテンション、今日の「群れの仲間」との相性を観察する時間です。他の犬に挨拶をする子、トイレタイムの子、Crew一直線の子と、様々な性格が見て取れます。

≪体重チェック≫

DGOSHIPさんでは毎回、犬の体重チェックがあります。Crewも飼い主さんも体重変化を把握できるため、健康管理に役立ちます。体重計に一人で乗れる子やCrewの抱っこで測る子など、13頭全て完了するのも簡単ではありません。

≪ボディチェック≫

その後、1頭ずつ担当する犬のボディチェックを行います。耳や口、肉球など細やかにチェック! 飼い主さんも見落としていた傷や違和感を見つけるだけでなく、それがお預かり中に出来たものなのか、以前からあったものなのかを把握することで、安全航海を徹底しています。一方、犬たちにとっても保定やウィークポイント許容の練習にもなるため、動物病院などで役立つメリットもあるのです!

≪群れの移動 ~お散歩~≫

DGOSHIPさんでは、単なるお散歩タイムではなく「群れの移動の練習」と考えています。そのため大勢で出動です! もちろん群れとして歩くためにポジションも大切にしており、犬たちの性格に合わせて歩く位置を決めていきます。

例えばリーダータイプは先頭を歩かせるなかでも、スタスタと勝手に歩いて行ってはリーダーとして失格。後ろのメンバーが付いてきているか気にしながら、待てる練習も行います。

このように、Crewも含めた全員が「群れ」の意識をもって気持ちを一つに歩く経験は、お散歩デビューのパピーにとっても大切。

担当した5か月のRenoくんは、最初は抱っこでスタートし、外に慣れてきたタイミングでお散歩に挑戦! 先輩犬たちのようにお散歩ロードを楽しく闊歩できるかな?

最初は慣れない道や物音を怖がっていましたが、先輩犬やCrewのサポートのもと、最後は自信をもって群れの一員として歩くことができました♪

立ち止まったReno君が安心して歩み出せるように、視線の向け方や声がけのタイミングなど、的確で細やかなサポートが大切だと初めて知りました。

≪ランチタイム≫

飼い主さんからお預かりしたご飯でランチを作ります。水分量や混ぜ具合など、それぞれの愛犬の“こだわり”に合わせて細やかに準備する様子にびっくり!

その間、ソワソワしながらも、みんな良い子で待っています♪

そしてスタッフもフリースペースで昼食。実はこれも練習の1つ。ローテーブルに準備されるご飯を、欲しがったりテーブルに手を掛けたりせずに待てるよう、ここでも日常が再現されています。

≪集団レッスン≫

午後は集団レッスンです。スクールでのメリットは、他の犬がたくさんいるということ。集団レッスンにはたくさんの恩恵があるため、DOGSHIPさんでは大切にしています。

例えば、自分のパーソナルスペースに他の犬が入って来ても落ち着いてリラックスして居られること。他の犬が刺激になり、習得の速さがアップすること。みんなで1つのコマンドを達成するため、他の犬の動きに惑わされずに自分のミッションを遂行する集中力や忍耐力をつけること。

こうやって、犬たちは「他の犬がいる環境」で学びを深めていくのです。

その他にも、その子の個性や得意なことにあわせた個々のレッスンも♪

ジャーニー君の「なんでやねん!」

(されている側も、すごいと思う!)

凪ちゃんもできるよ!

単なる「ファンコマンド」ではなく、その子の弱点や課題にあわせ、コマンドを通じて慣れる練習をしています。また、困った行動を単に制止させるのではなく、合図で出来るようにすることで、自制する力をつけることができます。こうやって、DOGSHIPさんでは「意味あるコマンド」で楽しく学習できるのです!

≪私もレッスン体験!≫

ここで私もレッスン体験です! 私のトレーニングに付き合ってくれたのは、介在犬としても活躍中の凪ちゃん、ジンジャーちゃん、ラキくん、そしてパピーの汐(しの)ちゃんです。

Captainから指導を受けながら早速実践! 頭で理解できても、その場で起きている状況や犬たちのメッセージを判断しながら行う難しさを実感しました。

どうも私のコマンドが通じないのです・・・

ハンドシグナル、声、すべてを意識的に使う大切さを学びました。

Crewがやると・・・

こんなに大勢でも、うまくいく!

わたしがやると・・・

こんな感じ! 完全に遊ばれています。

今まで、いかに自分が「感覚」だけで犬たちとコミュニケーションを取ってきたかを知り、良い勉強になりました!

≪来客≫

DOGSHIPさんでは、来客との打合せをスクール内で行います。それ以外にも、ローテーブルやソファ、電話やインターホン、掃除機など、家庭のリビングルームの日常の要素を出来る限り再現しています。

来客があればインターホンが鳴り、知らない人たちが自分たちの空間に入ってきます。そこで、吠えない練習、飛びつきや過度の興奮などを起こさない練習が実践できるのです。

今回も4名のお客様が打合せでご来社。思わず「ワン!」が出てしまう子もいましたが、何とか我慢に成功。来客中は、お客様に愛想をふりまく子や、Captainから離れない子、まったく気にしない子など様々でした。

≪日報≫

飼い主様にお渡しするお預かりレポート「日報」では、その日の体調や過ごし方の様子、基本の社会性やマナーなどの5段階評価のほか、1日の様子や課題などを記入します。

また、お帰りの際にも、しっかりとコミュニケーションを図り、お家での過ごし方の宿題や課題の共有をします。

1日研修を通して

Captainの須﨑大さんは、カナダのバンクーバーで、動物行動学や動物心理学を基にしたドッグトレーニングスキルを習得しました。その中で、人が犬に教えるという一方的なトレーニングではなく、「犬から学ぶ」ことでより良いコミュニケーションを築くという考えに基づく「ヒューマン・ドッグトレーニング」を実践しています。

DOGSHIPさんには、ドッグトレーナーだけでなく、動物看護師さんやトリマーさんがCrewとして在籍し、ケアやトリミングにも対応しています。専門職に関わらずCrew全員がヒューマン・ドッグトレーニングのスキルを持ち、生徒犬たちのお世話やレッスンにもあたることで、サービスの質がぐっと上がるといいます。

全てのCrewが「飼い主さんと愛犬の関わりあい」のエキスパートであるからこそ、DOGSHIPさんは、パピーからシニアまで全てのステージで必要な「犬との暮らし」に関わる相談ができるパートナーなのです。

犬を飼うから、犬と暮らす時代になったからこそ、見つけて欲しいと思います。

「あなたは、愛犬とどんな暮らしを描いていきますか?」

■DOGSHIP

https://dogship.com/

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