授業内容データ化アプリ 「音声分析時間」を大幅に短縮 福島県郡山市の3小学校で試験導入

アプリ活用の展望などを語る佐藤社長(右)ら

 福島県郡山市が市内の3小学校で実施した教員の授業内容をデータ化するアプリ「classtock(クラストック)」の試験導入で、音声分析の所要時間が手作業と比べ大幅に短縮された。開発者のIT企業「FACT4」(本社・郡山市)が21日、市役所で開かれた市チャレンジ新製品認定事業の成果報告会で示した。

 試験導入は昨年10月から2月まで行われ、授業102時間29分45秒分の音声をクラストックで分析した。手作業で文字におこす場合と比べ298時間速く処理できた。

 この他、教員が授業中に工夫する様子を登録し、教員と児童が話す量の比率を調べた。FACT4の渡辺誠一郎統括本部長は成果を①全教科に共通する授業方法のノウハウがある②授業中の発話量や内容を数値化・可視化すれば、教員が自ら授業を評価できる―とした。

 市教委は将来的な全校での採用を視野に、初任者研修や研究推進協力校などでの試験導入を検討している。

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 「FACT4」は4月、教育DX(デジタル変革)の推進に特化した新会社「classtock」を設立する。佐藤保社長が報告会で明らかにした。

 音声に加えて動画を活用した授業内容の可視化と共有を目指す。佐藤社長が新会社の社長を兼務する。「FACT4」は引き続き、情報を数値化する技術開発を進める。

(郡山版)

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