逆風の自民、議席死守 維新は中国地方初の県議誕生 鳥取県議補選

(左から)山本暁子氏、玉木裕一氏

 鳥取県議の辞職と失職に伴う県議会鳥取市選挙区補欠選挙(被選挙数2)が24日、投開票され、無所属で猟師の山本暁子氏(42)=自民党推薦、日本維新の会公認で元鳥取市議の玉木裕一氏(46)がそれぞれ初当選した。維新は中国地方で初の県議誕生となった。投票率は2023年4月の県議選(鳥取市選挙区)と比べ16.39ポイント減の27.60%と低調だった。

 山本氏は、IT活用の推進や農林水産業の振興を訴えた。自民党県連のサポートを受けて組織戦を展開。派閥の政治資金パーティー裏金問題で党への批判が集まる中、党県連会長の石破茂元党幹事長(衆院鳥取1区)が何度も選挙区入りして支援を呼びかけ、保守王国の底力をみせた。

 玉木氏は党が掲げる「身を切る改革」と「しがらみのない政治」をアピールし、議員の報酬と定数の削減を訴えた。2022年11月の鳥取市議選でトップ当選した知名度を生かして、有利に戦いを進めた。

 鳥取市選挙区を巡っては、詐欺罪などで有罪判決を受けた議員が昨年8月に辞職、公選法違反(寄付行為)の罪で罰金刑を受けた別の議員が今年2月に刑が確定して公民権停止となり、議員失職。欠員2となり補選が行われることになった。

 当日の鳥取市の有権者数は15万859人(男7万2005人、女7万8854人)。

(岸本久瑠人)

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