春の甲子園が2日連続の中止となり、能登半島地震で被災した航空石川は25日に初戦の1回戦に臨む。新3年生の背番号6・北岡颯之介(高岡市出身)は連日甲子園球場に駆け付ける家族に「任せとけ」と力強い言葉で決意を伝え、聖地でのプレーへ気持ちを高ぶらせている。
1月1日の発災時は母校の高岡市福岡中グラウンドで同級生と野球の練習をしていた。地震を体験して家族には「野球ができることの感謝をプレーで伝えたい」と話し、1月中旬に山梨でチームに合流した。
初戦を前に電話で父保さん(47)から「楽しんで」と励ましを受けると、「任せとけ」ときっぱり。保さんは「いつもは自信があるようなことは言わないのに」とほほ笑み、プレーボールを心待ちにした。
●室内で練習
航空石川ナインは前日に続き、24日も甲子園球場の室内練習場で調整した。富山勢は北岡をはじめ、久々江翔吾(射水市出身)、猶明光絆(氷見市出身)、長井孝誠(同)が体を動かし試合へ闘志を燃やした。
●2回戦の星稜も
第2試合に予定されていた星稜の2回戦も中止となった。室内練習では、山下智将監督が「生徒は気持ちが落ちているような感じがあった。上げるために」と打撃投手を買って出た。
約100球を投じた監督の「熱投」に応えるように、専徒大和(高岡市出身)、中島幹大(同)、中島海翔(射水市出身)ら選手たちは声を出して盛り上げながらスイングを続けた。