地元貢献誓い一歩 氷見、2カ月遅れの「二十歳のつどい」

笑顔で記念撮影する出席者=氷見市芸術文化館

  ●347人ふるさとへ思い強く

 能登半島地震で大きな被害に見舞われた氷見市で24日、1月から延期となっていた「二十歳のつどい」が開かれた。379人のうち347人が出席し、門出を迎えた若者は、震災を受け「将来は地元に貢献したい」「家族を大切にする」とふるさとへの思いを強くした。被災地氷見の復興の一助となることを誓い、大人として新たな一歩を踏み出した。

 「やっぱり氷見が好きなんだと感じた」。同市中波出身の大西涼芽さん(福井県立大2年)は震災で感じた故郷への思いを語った。

 中波地区は発災から20日間と市内で最も長く断水が続いた。大西さんは地震時に帰省中で水のない日々を経験したが、不思議と地元を離れたいとは思わなかったという。卒業後は富山に帰りたいといい、「地元に貢献できる人材になりたい」と意気込む。

 明前華奈さん(金沢工大2年)はつどいのため2カ月ぶりに帰省した。いまだ市内に震災の傷跡が多く残っていることに大きなショックを受け、「当たり前の生活と、それを支えてくれる家族に感謝の気持ちが湧いた。悩みを持つ人を助ける仕事に就きたい」と成長を誓った。

 医療系の道を志す廣瀬心菜さん(金大薬学類2年)は、地域貢献の思いを新たにした。卒業後は氷見での就職を希望しており、「地震で地元の大切さが身に染みた。医療環境をより良くしたい」と力を込めた。

  ●式で黙とうささげ

 式では冒頭、地震の犠牲者に黙とうをささげた。代表の⻆美咲さんが「誰かの支えになり、温かさを分けられるよう精進したい」、安井涼介さんが「一人一人が社会の一員である自覚と責任を持って努力し続けます」と誓いを述べた。

 林正之市長は式辞、積良岳市議会議長が祝辞を述べた。10歳の「2分の1成人式」を迎えた朝日丘小4年生が祝福し、中学校歌メドレーなどが披露された。

© 株式会社北國新聞社