<レスリング>【アフリカ&オセアニア予選・特集】赤澤岳(サモア=日大OB)の話

▲苦難を乗り越え、34歳(現在は33歳)でオリンピック出場を果たす赤澤岳(サモア)=UWWサイトより

(2024年3月24日、エジプト・アレクサンドリア)


■赤澤岳(サモア=日大OB/3試合に勝ってオリンピック出場枠獲得)「まずサモア、サモアの首相、サモアレスリング協会会長に、私を受け入れ、サモア代表として出場させていただいたことに感謝します。また、母校・日大の監督、コーチ、先輩、後輩、花咲徳栄高校の方々、私を最初に教えていただいた京北中学の先生、先輩方、私にかかわったすべての方々に感謝しています! 皆さん、本当にありがとうございます!

オリンピックだけを目標に、ここまで頑張ってきました。振り返ってみて、自分ながらすごいストーリーだな、と思います。京北中学でレスリングを始め、中高一貫の学校なのに花咲徳栄高校へ行って続け、日大での4年間はけがで成績を残せず、そのあとロシアへ渡り、サモアで国籍変更を決めて6年間待って、この日を迎えました。すごい人生ですね。

実は第2試合で右ひざを痛めてしまい、最後の試合は満足に歩けない状態だったんです。テーピングでがっちり固め、勝つとしても僅差かな、と思いました。試合中にバギッといってしまって苦しかったのですが、日大の齊藤将士コーチから『痛いなら、痛いなりに、どうやって勝つかを考えなければ悔いが残る』と言われたことを思い出しました。後悔はしたくなかった。よく勝ったな、と思います。自分で自分を褒めてやりたい。

もうオリンピックへ向けて気持ちが向いています。けがを治してからですが、死ぬ気で練習し、メダルを目指します。今のままではダメでしょう。オリンピックは出場選手が早くから分かるので、しっかり研究して練習を積みたいと思います。

練習は日大にお願いするほか、4月には日体大卒業の選手(阿部侑太=2018年全日本選手権79kg級優勝)が青年海外協力隊の活動でサモアに来ますので、彼にコーチをお願いし、もう一花咲かせるため必死に練習したいです」(写真は、いずれもUWWサイトより)

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