【大阪杯/危険な人気馬】“消し”はダービー馬か皐月賞馬か……「この負のスパイラルは不可避」

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今週は、春の中距離王決定戦、第68回大阪杯(GI、芝2000m)が阪神競馬場で行われる。

今年は、昨年のダービー馬タスティエーラと、皐月賞馬ソールオリエンスが激突。加えて、重賞2勝のローシャムパーク、京都記念1、2着のプラダリアにベラジオオペラ、愛知杯を制したミッキーゴージャスや、小倉大賞典を制したエピファニーなど、中距離戦線のトップランカーが集結し、見応えのある一戦となりそうだ。

そんな中、有馬記念以来の一戦となるタスティエーラが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。

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■ダービー馬は大阪杯を勝てない?

昨年のダービー馬タスティエーラが、大阪杯で2024年の始動戦を迎える。皐月賞と菊花賞では2着、古馬と初対戦となった有馬記念では、前をカットされる不利があって6着に敗れたが、4歳世代のトップホースとして、さらなるビックタイトル獲得となるか、注目の一戦となる。

大阪杯が2017年にGIへ昇格して以降、過去7年でダービー馬が大阪杯へ出走したのは3頭で、延べ8回出走しているが、その成績は【0.0.2.7】と、いまだ勝ち馬は輩出していない。三冠馬コントレイルでさえ、2021年に1番人気で3着に敗れており、ダービー馬にとっては鬼門のレースとなっている。

また、前走・有馬記念組は【1.1.0.5】と2頭が連に絡んでいるが、2017年1着キタサンブラック、19年2着キセキと、いずれも5歳時に出走した馬が好走している。一方、4歳時に出走した2019年ブラストワンピースや、22年エフフォーリアは、ともに1番人気に支持されて着外に敗れており、4歳馬の前走有馬記念のパターンは、大阪杯で人気を集めて凡走する可能性が極めて高い。

そして、大阪杯は先行した馬が勝つ傾向が強く、過去7年の勝ち馬は、すべて4コーナー5番手以内に位置していた。この7頭中5頭は、前走でも4コーナーで4番手以内を通過しており、前々でレースを運べる馬が有利なレースと言える。タスティエーラは、皐月賞やダービーなどでは、先行して好成績を収めていたが、近2走は中団から運ぶ傾向に変わりつつあり、今回も前に行けないようだと苦しい展開となりそうだ。

今回はドバイWCデーと日程が重なり、久々に松山騎手とのコンビ復活となる。このあたりが起爆剤となってプラス要素に働けば良いが、騎手が乗り替わり時の成績は【1.2.3.46】と、あまり結果が芳しくない点は不安材料。また関東馬も【0.1.1.24】と、まだ勝ち馬を輩出していないなど、過去傾向を覗くほど負のスパイラルに陥る。

もはや凡走の未来は不可避か。タスティエーラは人気ほどの信頼感はないと考え、今回は思い切って「消し」でいきたい。

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著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。

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