週末のオープン戦まとめ 広島カープ 2年目・久保修 攻守に躍動 九里亜蓮 開幕に向け万全 森下&床田 明暗分かれる アドゥワ「無失点を意識」 島内颯太郎 タカの強打者を封じる

シーズン開幕を前に広島カープは、ソフトバンクとの最後のオープン戦3連戦に臨みました。

3月22日(金)オープン戦 ソフトバンク vs. 広島(PayPayドーム)

金曜日の先発は、プロ11年目にして初めて開幕投手を任された 九里亜蓮 。ソフトバンクの先頭打者・川村を3球三振に切って取ると、3回を投げ、無安打無失点、4奪三振、打者10人で抑えます。絶対の安心感で信頼は揺るぎません。

九里亜蓮 3回 球数44 被安打0 奪三振4 失点0

打っては、2点リードされて迎えた8回、堂林翔太 がオープン戦2本目となるソロホームラン。

RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
「すばらしいバッティングでした。調子自体があまり上がってきていなかったのかなと思ったんですが、ここにきて上げてきてくれました」

注目は、途中出場の2年目、久保修 でした。まずは守備で見せました。センターへの当たりに飛び込む、はつらつファインプレー。

天谷宗一郎 さん
「これは、鳥肌が立ちます。すばらしいビッグプレー、球ぎわに強いです」

もともと脚力もあって守備力が高い久保ですが、9回には、レフトへソロホームランも! 若手の競争に期待しているという 新井貴浩 監督に久保が猛アピールします。

天谷宗一郎 さん
「非常にコンパクトにバットを振っているんですけど、インパクトが強い。そして、この点差で打てるスター性も感じます」

この一発で同点に追いついたカープ。試合は、このまま引き分けに終わっています。(ソフトバンク 2ー2 広島)

3月23日(土)オープン戦 ソフトバンク vs. 広島(PayPayドーム)

土曜日の先発は、森下暢仁 。オープン戦で12球団最多のホームランを放っているソフトバンクの重量打線につかまり、1回には柳田に2ラン、2回にはウォーカーに2日連続のホームランを与えるなど、立ち上がりで5点を献上。

3回は三者凡退に打ち取り、この回でマウンドを降りましたが、課題の残る内容となりました。

森下暢仁 3回 球数56 被安打5 奪三振3 失点5

天谷宗一郎 さん
「ただ、レベルの高いところでの微調整ですむんじゃないかなというくらい、1球1球の質はよかったと思います」

4回からは、先発ローテの左の柱、床田寛樹 が登板。5回を投げ、1安打無失点。オープン戦は3試合無失点と上々の出来でした。

床田寛樹 5回 球数60 被安打1 奪三振2 失点0

天谷宗一郎 さん
「5回60球を投げたので驚きましたけど、床田投手らしいピッチングを見せてくれました」

一方、カープの攻撃は2回、堂林翔太 が、フェンス直撃の大きなツーベースヒット。得点には結びつきませんでしたが、堂林は、前日のホームラン含め、3試合連続安打をマーク。上昇気流に乗っています。

天谷宗一郎 さん
「ちょっと詰まっているのかなという打球でしたが、ここまで持っていくのが堂林選手のパワーです」

さらに6回、矢野雅哉 がヒットで出塁すると、オープン戦打率3割を超え、好調の 小園海斗 がフェンス直撃のツーベースヒットを放ち、ランナー3塁・2塁のチャンス。

ここで新外国人レイノルズがセンターへ犠牲フライ。1点を返します。しかし、反撃はこの1点で終わり、試合には敗れています。(ソフトバンク 5ー1 広島)

3月24日(日)オープン戦 広島 vs. ソフトバンク(マツダ)

そして、日曜日。試合前には今シーズンの「カープホームランガール」がお披露目されました。選ばれたのは、19歳から26歳の3人。マツダスタジアムでホームランが出た際に選手へスライリィの人形を渡したり、イベントのサポートなどを務めます。

瀬戸愛永 さん
「新井カープの『しゃ!』な瞬間をいっしょに分かち合えるようにファンのみなさまといっしょに応援していく所存でございます」

若山季桜 さん 庄野美玲 さん 瀬戸愛永 さん
「せえの、しゃ!」

オープン戦ラストゲームは天気が心配でしたが、2万5000人を超えるファンの前で先発マウンドには開幕3戦目を告げられている アドゥワ誠 が上がりました。前回登板は立ち上がりに満塁のピンチを背負いましたが、この日は先頭の俊足・周東を出しても、ぐらつくことはなく、インサイドを強気に攻めるピッチングで無失点に抑えます。

天谷宗一郎 さん
「アドゥワ投手らしいピッチングを見せてくれました。どんどんストライク先行でいく中でしっかりと内野ゴロが取れていました。ナイスピッチングでした」

2回以降は内野ゴロを多く打たせるアドゥワらしいピッチング。うまくカーブも使い、予定の3イニングを1安打、無失点の内容で開幕前、最後の登板を締めくくりました。

広島カープ アドゥワ誠 投手
3回 球数41 被安打1 奪三振1 失点0
「ぼくの場合、“調整” とかはないので、しっかり “結果” を(出して)、ゼロで帰ることを意識して投げました」

― 来週31日(日)に向けていい結果に?
「そうですね。つながると思います。(開幕後は)自分が投げるゲームは勝ちにつながるピッチングができればいいのかなと思います」

2番手は、体調不良の影響で2週間ぶりのオープン戦登板となった 島内颯太郎 。最初の相手は広島出身、3番・柳田。150キロのストレートでレフトフライに打ち取ります。

続く4番、山川。過去3度のホームラン王に輝いた強打者に対しても151キロの力強いボールでライトフライに打ち取ります。

天谷宗一郎 さん
「しっかりと押し込めているからこそ、ボールの下っ面をたたかせることができています」

そして、5番は去年の2冠・近藤。チェンジップとのコンビネーションで追い込むと、最後は150キロのストレートで見逃し三振。「球速も出ていたし、ゼロで終われてよかった」と三者凡退に抑え、去年のタイトルホルダーが不安を一掃しました。

島内颯太郎 1回 球数11 被安打0 奪三振1 失点0

打線は2回、坂倉将吾 、堂林翔太 の連打でチャンスを作ると、8番・レフトの 上本崇司 。2年前には開幕スタメンを勝ち取った経験のあるベテランがしぶとくセンターへ運び、先制します。

天谷宗一郎 さん
「ツーアウトからでしたけど、やっぱり勝負強いなというのをことしも見せてくれそうです」

さらに続く9番は、金曜日にホームランを放っている 久保修 。「初球からいこうと決めていた」と積極打法でタイムリーツーベース。この日は、2安打の活躍を見せます。

天谷宗一郎 さん
「先輩が作ってくれたいい流れに乗りながら、若手らしいガツガツした姿を見せてくれています」

守っても3回、センターへ難しいライナーが飛びますが、スライディングキャッチ。打って守って1軍デビューへアピールしました。

天谷宗一郎 さん
「すばらしいです。福岡(の試合)では頭から行っているんですけど、こちら(広島)では足から行っている。シチュエーションによってスライディングの仕方を変えているんです。ここも久保選手のよさです」

広島カープ 久保修 選手
「打球がちょっとナックル気味で動いていたんですけど、一歩目を早く切りすぎずに、制止してから打球を見て判断できたので、よかったかなと思います。一番課題としているバッティングで福岡から最後のオープン戦もいい内容で終えられたので、いい準備をして開幕を迎えたいなと思います」

若鯉に負けじと6回にはチャンスに代打・松山竜平 。これぞ、チーム最年長の勝負強さ。ヒットゾーンへ運び、3点目のタイムリー。松山は、オープン戦には北海道遠征から合流して12打数6安打。5割の数字を残しました。

天谷宗一郎 さん
「もう、さすがのバッティングです。ちょっと詰まっているんですけど、人のいないところに持っていく技術です」

試合は7人の投手陣が完封リレー。オープン戦を白星で締めくくりました。(広島 3ー0 ソフトバンク)

広島カープ 新井貴浩 監督
「(開幕スタメンは)まだ何も決まっていないので、しっかり考えたいと思います。ですけれども本当、みんながいいアピールをしてくれているので、しっかり悩みたいと思います」

◇ ◇ ◇

RCC野球解説者 天谷宗一郎 さん
もう本当にすばらしい試合を見せてくれたなと思います。打つ方もそうなんですけれども、やっぱりソフトバンクの打線は強力なんです。そんな中、アドゥワ投手の後を受けた6人の中継ぎ陣がしっかりとゼロに抑えた。これは自信になるし、すっと開幕に向けていい試合ができたんじゃないかなと思います。

石田充 アナウンサー
そして、少しコンディション面を鑑みて、秋山翔吾 選手・野間峻祥 選手がゲームに出なかったら、久保修選手がこのアピールです。

天谷宗一郎 さん
こういったところ、何か持っているんじゃないかなと思います。

青山高治 キャスター
このオープン戦3連戦だけでレイチェルさんは久保選手のファンになりました。

コメンテーター レイチェル・ニコルソン さん(翻訳者)
もう、すごい大好きになりました。めちゃくちゃ応援します。

田村友里 キャスター
田村選手が注目されていますけど、久保選手も…

石田充 アナウンサー
そうなんです。あとは外国人に当たりが出てくると不安なくというところですが、これは開幕にとっておくということにしてもらいたいと思います。

青山高治 キャスター
当たりが出ないままオープン戦が終わってしまうという…

石田充 アナウンサー
“別物” って考えていただきたいと思います。

© 株式会社中国放送