二階氏不出馬の「深謀遠慮」 後継狙う息子ら、動けぬ世耕氏...小選挙区議席の行方は

自民党の二階俊博元幹事長が2024年3月25日、次期衆院選に出馬しない意向を表明したことで、次期後継者の選定が次の焦点になりそうだ。

二階氏の地元、和歌山では世耕弘成・前党参院幹事長が衆院へのくら替えを模索していることが知られていた。一方で、二階氏の秘書を務める長男・俊樹氏と三男・伸康氏による後継者争いも展開されてきた。世耕氏が自民党派閥の裏金問題で窮地に陥る中での不出馬宣言の真意は――二階家の動向に注目が集まる局面だ。

和歌山の次期衆院選の小選挙区は3→2に

和歌山では「10増10減」の影響で、次期衆院選の小選挙区は3から2に減少する。新1区では鶴保庸介参院議員を擁立する一方、旧3区選出の二階氏は新2区から出馬することが内定していた。そんな中での不出馬宣言だ。

二階氏の後継をめぐっては、以前から長男・俊樹氏、三男・伸康氏の2人の名前が挙がり、80代の二階氏の去就も含め、注目を集めてきた。しかし、衆院へのくら替えをはかる実力者・世耕氏の存在もあり、情勢は不透明だった。

しかし今回、世耕氏が公認争いに割って入る余地は極めて小さい。なにしろ自民党派閥の裏金事件をめぐり、批判を受けている安倍派幹部のひとり。政治倫理審査会(政倫審)での弁明が不十分だとして、野党側から証人喚問を求められているからだ。政治的には厳しい立場にある。

「地元の皆様のご判断にお任せしている」と語るが...

二階氏は記者会見で、後継候補について

「地元の皆様のご判断にお任せしている。先ほど県連会長にも、この旨お伝えしたところだ」

などと説明。和歌山県連の会長は二階氏が務めており、言い間違えたとみられる。改めて質問されると、

「それは和歌山3区の皆さんが決めること」

と応じた。ただ、「衆院選不出馬=政界引退」かどうかは明言せず、

「まぁ、それは地元の皆さんがお決めになることですからね」

とするにとどめた。

和歌山県連の山下直也幹事長(県会議員)は、

「今後の人事や候補者選定については、突然のことでもあり、関係者をはじめ当連合会内で相談をして早急かつ適切に対応してまいります」

などとする談話をウェブサイトに出している。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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