イスラエル、米への代表団派遣を取りやめ 米は遺憾表明

[エルサレム 25日 ロイター] - イスラエルのネタニヤフ首相は25日、予定していたワシントンへの代表団派遣を取りやめると発表した。パレスチナ自治区ガザでのイスラム組織ハマスとの戦闘の即時停戦などを求める国連安保理決議の採決に米国が拒否権を行使しなかったことを受けた。

首相府の声明は、米国がこの提案に拒否権を行使しなかったことは立場の「明らかな後退」であり、人質解放に向けた取り組みなどに打撃を与えると述べた。

国連安保理は25日、ガザでの戦闘の即時停戦と人質全員の即時かつ無条件の解放を求める決議案を賛成多数で採択した。全15理事国のうち14カ国が賛成。米国は棄権した。

米国の国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は記者団に対し、拒否権を行使しなかったことは政策変更を反映したものではないとし、イスラエルが代表団の派遣取りやめを決めたことに遺憾を示した。同時に、二国間協議の一環として、イスラエルの政策に対する懸念を提起していくと語った。

カービー氏は「(パレスチナ自治区南端の)ラファに対する大規模な地上侵攻は大きな過ちという米国の考えは変わっていない」とし、米政府当局者はワシントンを訪問しているイスラエルのガラント国防相と会い、ラファの民間人の保護などについて協議する予定に変わりはないと述べた。

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