【タイ】バンコクのPM2.5濃度、基準値超えが196日[社会]

タイの調査会社カシコン・リサーチセンターは22日、2023年に首都バンコクで微小粒子状物質「PM2.5」の24時間の平均濃度が安全基準値である1立方メートルあたり15マイクログラムを超えた日数が前年比16.7%増の196日だったと発表した。20年から増加の一途をたどっている。

基準値を超えた日数の内訳は、1立方メートルあたり15.1~25マイクログラムの「敏感な人には健康への影響が懸念されるレベル」が84日、25.1~35マイクログラムの「健康への影響が懸念されるレベル」が48日、35.1~50マイクログラムの「健康に影響を及ぼすレベル」が34日、50.1マイクログラム以上の「健康への影響が危機的なレベル」が30日だった。

PM2.5が平均寿命に与える潜在的な影響に関する調査によると、1年当たりのPM2.5平均濃度が安全基準値である1立方メートルあたり5マイクログラムを下回った場合、タイ人の平均寿命は1.8年延びるという。保健省は、23年の大気汚染が原因の気管支炎患者数が前年比39.1%、肺がん患者数が19.8%増加したと発表している。

タイでの大気汚染の原因の多くはコメやトウモロコシ栽培のための野焼きで、毎年12~4月に深刻化する。23年の衛星写真によって確認されたホットスポット(野焼きや山火事が発生しているとみられる高温の場所)の数は前年比3.7倍の16万8,468カ所だった。

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