【シンガポール】2月のCPI上昇率3.4%、前月上回る水準[経済]

シンガポール統計局が25日に発表した2024年2月の消費者物価指数(CPI、19年=100)は112.0となり、前年同月から3.4%上昇した。21年9月以来2年4カ月ぶりの低水準を記録した1月の2.9%から0.5ポイント上昇した。全10項目で前年同月を上回った。

項目別では、最も上昇率が高かったのは娯楽・文化で5.5%。1月から1.1ポイント上昇した。旅行などの休暇関連が7.3%と高水準で、航空券代の上昇が目立った。

通信は1.9%。通信機器がマイナス3.7%と低迷した一方、郵便・宅配便サービスが15.6%と大幅に上昇。10項目を細分化した小項目全体で最も高い上昇率となった。

医療は4.6%だった。病院サービス(7.2%)や外来診療サービス(4.9%)の上げ幅が高かった。食品は3.2%。野菜がマイナス1.0%だったものの、果物が6.3%、牛乳・チーズ・卵が4.5%となった。

シンガポール金融管理庁(MAS、中央銀行に相当)と貿易産業省が発表した2月のコアインフレ率(運輸や住宅など、政府の政策の影響を受けやすい項目を除外したインフレ率)は3.6%となり、1月の3.1%を上回った。

2月のCPI上昇率は前月比(季節調整済み)では全体で3.1%だった。全10項目中、通信を除く9項目で前年同月を上回った。

金融管理庁は今年のCPIの見通しについて、「地政学的な緊張や食品価格の上昇などを受け、インフレの上振れリスクは引き続き残る。国内の労働市場も予想以上に需給が逼迫(ひっぱく)する。一方、世界経済の弱含みで物価上昇圧力が弱まる可能性もある」と指摘した。

24年通年の見通しはCPI上昇率、コアインフレ率ともに前年比2.5~3.5%との予想を維持した。23年はCPI上昇率が4.8%、コアインフレ率が4.2%となっており、24年は前年を下回る見込みだ。

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