「ゴーゴー」と音を立て、真っ赤な炎が噴き上がった。広大なヨシ原の上空を黒煙が包み、周辺の土手に集まった見物客らは迫力ある景観に見入っていた。
3日に行われた渡良瀬遊水地に春の到来を告げるヨシ焼き。栃木、小山市など周辺4市2町でつくる「ヨシ焼き連絡会」が主催している。希少植物やヨシの発芽促進、ヤナギの樹林化の防止などに効果がある。
午前8時半、地元住民らによる火入れが行われると、黒煙を上げながら一気に燃え広がった。同連絡会によると、午後8時半ごろの鎮火までに予定区域の約8割となる1200ヘクタールを焼いたという。
ヨシ焼きから約3週間。一面真っ黒になったヨシ原から植物の新芽が顔を出していた。緑が再生し、数週間後には一帯が新緑に染まっていく。