【U-23日本 2-0 U-23ウクライナ|採点&寸評】2年ぶり代表復帰のアタッカーをMOMに! 無失点の守備陣も高評価

[国際親善試合]U-23日本 2-0 U-23ウクライナ/3月25日/北九州スタジアム

U-23日本代表は3月25日、国際親善試合でU-23ウクライナ代表と北九州スタジアムで対戦し、2-0で快勝を収めた。

日本は立ち上がりから主導権を握ると、48分にセットプレーの流れから佐藤恵允がゴールに押し込み先制。さらに76分には田中聡が、ペナルティエリア左から豪快なシュートを叩き込み2点差に。このまま無失点に抑え、3月の活動を勝利で締めくくった。

▼U-23日本代表のチーム採点「6.5」
この日はマリ戦以上に、大岩剛監督が志向するハイプレスが効いていた。

立ち上がりから連動した守備を見せて高い位置でボールを奪い、ショートカウンターを発動。ワンタッチのテンポの良い繋ぎで相手ゴールに迫り、意表を突いたサイドチェンジで、両サイドのスペースを有効に使い、クロスからもチャンスを創出した。

またシュートの意識も高く、序盤から荒木遼太郎が何度も狙ったほか、CKのこぼれ球を拾った松木玖生、佐藤が惜しいシュートを放つなど、セカンドボールへの反応も速かった。

特に奪われた後の素早い守備への切り替えは徹底されていて、相手に簡単に前進を許さず。シュート数はウクライナの1本に対して日本は17本と終始圧倒した。ただ、これだけのシュートを放ちながら2得点は物足りない。決めるべきところで決め切れない課題は残る。

MOMには、絶妙なポジショニングで何度も決定機に絡んだ荒木を選出。球際で負けなかった中盤の選手、無失点に抑えた守備陣も高く評価した。

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▼U-23日本代表の出場17選手&監督の採点・寸評

GK:小久保玲央ブライアン|採点6/押し込む展開であまり見せ場はなかったが、タイミングの良い飛び出しピンチを凌ぐなど、安定感があった。

DF:大畑歩夢(85分OUT)|採点7/出足の速さを活かしてボールを刈り取れば、攻撃参加でも存在感。攻守に積極的で左サイドを支配した。

DF:馬場晴也|採点6.5/序盤、不用意な前への飛び出しで背後のスペースを使われてピンチを招いたが、徐々に落ち着きを取り戻し、的確なラインコントロールを見せた。

DF:関根大輝|採点6.5/斜め前へのロングボールで好機を生むなど、勇気あるチャレンジが光る。CKでニアに飛び込んでボールに触り、先制点にも絡んだ。

DF:鈴木海音|採点6.5/守備の安定感はさることながら、ビルドアップでのパス選択も冷静。背後のケアも見事だった。

MF:山田楓喜(HT OUT)|採点6.5/鋭いカットインからのシュートや正確なラストパスを披露。セットプレーのキッカーとしても精度の高いボールを供給した。

MF:佐藤恵允(78分OUT)|採点7.5/押し込むだけの先制ゴールだったが、ゴールへの嗅覚はさすがの一言。気持ちの入った守備も評価に値。

MF:藤田譲瑠チマ|採点6.5/テンポの良いボール捌きに加え、狭いスペースをスルスルと持ち運びチームに推進力を生む。外せないピースだ。

MF:松木玖生(78分OUT)|採点6.5/ピッチの至る所に顔を出してパスを引き出し、前を向いて丁寧に繋げる。前からの守備でもチャンスを創出した。

FW:染野唯月(HT OUT)|採点6.5/前からだけでなく、プレスバックが光る。28分、中盤付近まで猛ダッシュで下がり、スライディングでボールを奪ったシーンは圧巻。

FW:荒木遼太郎(67分OUT)|採点8/得点こそなかったが、ボールを受けるタイミング、ポジショニングが完璧で、チームトップの5本のシュートを放つ。パリ五輪世代の代表に2年ぶりに復帰した22歳が特大のインパクトを残した。

途中出場
MF:平河悠(HT IN)|採点6.5/山田に代わって右サイドへ。果敢な仕掛けで相手DFを翻弄した。

FW:細谷真大(HT IN)|採点6/ストライカーとしてゴールが欲しかったところだが、動き出しやポストプレーで能力の高さを見せつけた。

MF:田中聡(67分IN)|採点7/荒木に代わってインサイドハーフに。効果的な展開で攻撃にリズムを生み、松木とのマークの受け渡しもスムーズ。追加点も強烈だった。

MF:小見洋太(78分IN)|採点なし/左サイドに入る。細かいタッチのドリブル突破からシュートを放つなど、積極性が光った。

FW:植中朝日(78分IN)|採点なし/インサイドハーフを務める。前から懸命にボールを追い、身体を張ったポストプレーも。

DF:内野貴史(85分IN)|採点なし/左サイドバックに投入。出場時間が短く、ボールにかかわる機会は少なかったが、しっかりと試合を締めた。

監督:大岩剛|採点6.5/途中出場の田中が結果を出し、采配が的中。活動前の「できれば全員を使いたい」との言葉通り、2試合でGK以外、全選手を試せたのは有意義だった。

取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

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