企業向けサービス価格、2月は前年比2.1%上昇 冬のイベントなど宿泊需要が堅調

Kentaro Sugiyama Shiho Tanaka

[東京 26日 ロイター] - 日銀が26日発表した2月の企業向けサービス価格指数は110.0となり、前年比2.1%上昇した。伸び率は前月と同水準。国内の冬のイベントや中華圏の春節(旧正月)に伴うインバウンドなどで「宿泊サービス」の需要が堅調だった。前月比では0.2%上昇した。

前年比は36カ月連続のプラスだった。「諸サービス」、「情報通信」、「運輸・郵便」、「リース・レンタル」、「不動産」などが上昇に寄与した。

「諸サービス」のうち「宿泊サービス」は前年比28.6%上昇と、前月の25.6%から伸び率を拡大した。さっぽろ雪まつりなどのイベント効果や、春節に伴う中華圏からのインバウンド需要が支えとなった。「土木建築サービス」と「労働者派遣サービス」なども押し上げに貢献した。

「情報通信」のうち「ソフトウェア開発」や「情報処理・提供サービス」はシステムエンジニアやヘルプデスクなどの人件費上昇、サーバーなどの管理費上昇、セキュリティ対策費用などを転嫁する動きが出ている。

「運輸・郵便」のうち「外航貨物輸送」は海運市況の上昇を反映。「道路旅客輸送」は労務環境の改善に伴うタクシーやバスの値上げが寄与した。

一方、「広告」は前年比の押し下げ要因となった。「テレビ広告」で個社の事情で出稿を取りやめた企業の影響が出るなど、一時的な要因が重なったという。

公表している146品目のうち、前年比で上昇したのは107品目、下落したのは22品目だった。日銀の担当者は日本経済を巡る不確実性が高い状況が続く中、「国際商品や海運市況の動向、人件費の動きが与える影響を注視していく」と述べた。

1月は前年比2.1%上昇、前月比0.5%低下だった。

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