町民、議会との対話重視 遊佐町長選、初当選の松永氏に聞く 

初当選し、抱負を語る松永裕美遊佐町長=同町役場

 時田博機前町長の死去に伴い、24日に投開票が行われた遊佐町長選で、初当選した松永裕美氏(57)=遊佐=は25日、山形新聞社のインタビューに応じた。町政初の女性町長として時田町政を継承し、町民や議会との対話を重視する姿勢を強調した。

 ―現職の急逝による選挙戦だった。

 「時田氏がつくり上げた町を守り、遺志を引き継ぐために出馬した。選挙を通じ、高齢者から若者までが町の将来を考え、関心を持ってくれたように感じた」

 ―時田町政の評価と継承について、聞きたい。

 「他自治体に先んじて移住定住や子育て支援の施策を充実させ、広く町民が活躍できる土壌をつくった。遊佐パーキングエリアタウンも事業が進んでいる。日本海東北自動車道が延伸し、遊佐町が『通り過ぎる町』とならないよう、魅力発信に力を入れる」

 ―最初に取り組む施策は何か。

 「高齢者の移動手段確保に取り組み、デマンドタクシーを充実させる。高齢者が多い実情に合わせ、デジタルとアナログをミックスした町づくりを行う。小学校給食費は段階的に保護者負担を軽減し、最終的に無償化する。大学や専門学校への進学時にかかる教育ローンの利子分を町が負担する制度も整備したい」

 ―遊佐沖で進む洋上風力発電事業へのスタンスは。

 「町のためになるよう、町民に正確な情報が届くようにする。発電事業者には対話の機会を求め、意見を交えたり、情報交換をしたりする場をつくる」

 ―町長選に出馬した相手候補は、町議会(定数12)の町議5人の支援を受け、一定の支持を集めた。

 「真摯(しんし)に受け止め、対話を重ねていく。議員一人一人の考えを聞けるようにする。全員協議会の場を大事にして可能ならば回数を増やし、町民にも開かれた説明の場を設けたい」

松永町長が初登庁、当選証書付与式も  時田博機前遊佐町長の死去に伴う町長選で、前町議による新人同士の一騎打ちを制し、初当選した松永裕美町長(57)が25日、町役場に初登庁し、当選証書を受け取った。

 松永町長は午前9時半ごろ、町役場で職員約70人の出迎えを受け、花束を受け取った。続いて当選証書付与式が行われ、町選挙管理委員会の小林栄一委員長が「町のさらなる発展と活性化のために、粉骨砕身の努力を重ねていってほしい」と話した。同日程で行われた町議補欠選で初当選した伊原ひとみ(58)、遊佐亮太(39)の両氏に同日、当選証書が手渡された。

 任期は町長が24日から4年、町議は残任期間の2027年6月末まで。

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