聴力低下、気付きやすく 山形・芸工大生、リーフレット制作

リーフレットやオリジナルキャラクターを紹介する東北芸術工科大の学生ら=山形市役所

 聴力の衰え予防や早期対応などを目的とした山形市の「聴こえくっきり事業」の一環で、東北芸術工科大(山形市)の学生が普及啓発リーフレットを制作した。聴力の衰えは誰にでも起こる可能性があると捉え、手に取りやすいデザインに仕上げ、早めの聴力チェックなどを呼びかける。担当したグラフィックデザイン学科の学生らが25日、市役所を訪れて完成を報告した。

 事業は山形大医学部や市医師会などと連携し、アプリによる早期発見、補聴器相談医による診察、フォローアップなどをパッケージ化して推進する。リーフレットは見開きA3判サイズ。聴力低下について分かりやすく説明し、自身が該当するかどうかチェックする項目を設け、相談できる医師を見つけておく大切さなどを伝える内容にした。

 聴力の衰えは本人は気付きにくいという。家族や友人に同事業を知ってもらうことが重要と考え、多くの人に見てもらうため、表紙には緑やオレンジを配色して山形らしい温かみを表現した。鳥をイメージしたキャラクターも考案し、内容を柔らかく紹介している。担当した2年有馬治英さん(20)は「聞こえが悪くなる状態を否定的にしたくなかった」と狙いを話す。

 同市は関連講座などの機会に配布する考えで、佐藤孝弘市長は「大事なツールとして使っていきたい」と感謝を語った。2年佐藤くるみさん(20)は「難聴について考えたことがなかった。イラストに落とし込む作業はいい経験になった」と話し、幅広く活用されることを期待した。

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