大工の冬仕事として始まった米沢市の伝統工芸「米沢箪笥(たんす)」を手がける同市の「永井家具店」(永井信二郎代表)では連日、製作や修繕作業に追われている。空気が乾燥する冬場は木材の伸縮が小さいため、加工に適しており、多くの依頼をこなしているという。
米沢箪笥はチョウやサクラといった縁起物の手打ち金具をあしらい、ケヤキやキリなどの無垢(むく)材を用いる。同店では福島県境の山間部で育った、樹齢300年以上で木目が美しいケヤキも使用している。
同店の作業場には、新たに製造しているたんすのほか、修理依頼を受けたものも並ぶ。永井代表は「伝統を受け継ぎつつ、現代の住宅事情に合わせたコンパクトなサイズも用意している。多くの人に米沢箪笥の魅力に親しんでもらいたい」と話した。