和倉の「総湯」再開 住民続々「やっぱり一番」

営業を再開した和倉温泉の日帰り入浴施設「総湯」に入る利用客=26日午前、七尾市

 能登半島地震の影響で休業が続いていた七尾市和倉温泉の総湯が26日、3カ月ぶりに営業を再開した。和倉温泉旅館協同組合によると、地震後、同温泉での一般開放は総湯が第1号。この日を待ち望んでいた住民らが続々と訪れ、「やっぱり和倉のお湯が一番や」と笑顔を見せた。

 和倉温泉では四つの源泉から湯が出ない状態となっていたが、1月16日にくみ上げポンプから約90度の湯が出ることが確認された。配管を修繕し、今月16日に断水が解消されたことから営業を再開した。

 午前10時、入り口にのれんが掛けられ、常連客らが続々と中に入った。毎朝利用していたという同市和倉町の三室郁夫さん(69)は「再開を待ち望んでいた。気持ちいいお湯で最高だった」とさっぱりとした表情を浮かべた。同市一本杉町の宮下三郎さん(61)は「他の銭湯に行っていたけど、やっぱり総湯がいい」と喜んだ。

 総湯は当面、午前10時~午後4時の時短営業となる。温泉を引き込む配水管の損傷が激しい男湯の露天風呂と足湯は使用できない。料金は通常通り大人490円、小学生130円、幼児50円となっている。

 総湯を運営管理する和倉温泉合資会社の小泉孝史社長(74)は「復旧まで長くかかってしまったが、営業できてほっとした。皆さんに温まっていってほしい」と話した。

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