基調的インフレ率、2月は全指標で伸び鈍化 刈込平均1年半ぶり低さ

Takahiko Wada

[東京 26日 ロイター] - 日銀が26日に発表した2月の基調的なインフレ率を捕捉するための指標は、前年同月比の伸び率が3指標そろって前月を下回った。日銀は18―19日の金融政策決定会合で先行き物価目標の実現が「見通せる状況に至った」としてマイナス金利を解除したが、足元で基調的な物価上昇率は伸びが鈍化している。

上昇率分布で上下10%を機械的に除いた「刈込平均値」(2020年基準)は前年同月比プラス2.3%で、22年9月以来の低い伸び率となった。上昇率の高い品目順に並べ、品目のウエートを加味した際の分布で中央の値である「加重中央値」はプラス1.4%で、前月の1.9%から伸び率が大きく縮小。最も頻度の多い上昇率である「最頻値」はプラス2.0%で、前月の2.3%を下回り、23年1月以来の低い伸びとなった。

上昇品目の比率は81.8%で、前月の83.9%を下回った。下落品目の比率は12.8%で前月の10.7%を上回った。

一連の指標は日銀が総務省発表の全国消費者物価指数をもとに算出し、毎月発表している。22日公表の2月の生鮮食品を除く総合指数(コアCPI)は前年同月比2.8%上昇。政府のエネルギー価格抑制策による押し下げ効果の剥落で、伸び率が急拡大していた。一方で、生鮮食品およびエネルギーを除く総合指数(コアコアCPI)は3.2%上昇と23年1月以来の低い伸び率になっていた。

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