広島県呉市消防局は、訓練中に部下の隊員を必要以上の高さや時間、ロープでつり上げ放置したなどとして8人の消防職員に対し、停職や減給などの懲戒処分にしたと発表しました。
停職1か月の懲戒処分を受けたのは、消防副士長の男性(41)です。
発表によりますと、消防副士長の男性は、去年6月27日に実施された訓練で、一緒に訓練をしていた部下の職員を、ロープを使って通常20~30センチの高さで長くとも1分程度行うところ、2メートルの高さに吊り上げたうえ、5分程度その場を離れ、職員に対し精神的また身体的な苦痛を与えたということです。
訓練は、処分を受けた消防副士長の男性を含む6人で行われ、マンホールなどのせまい場所に転落した人を救助する際に使われる、ロープの結び方を体験をするものだったということです。
さらに、消防副士長の男性(41)は、過去数年間に今回被害を受けた部下の職員を含む4人に対し、暴力や暴言や仲間外れなどのパワーハラスメント行為を行っていたということです。
去年7月に、部下の職員が上司にメンタルの不調を訴え、消防局内で聴き取り調査を実施したところ、今回の事案が発覚。消防副士長の男性は消防局内の聴き取りに対して、内容を認めているということです。
呉市消防局は、この消防副士長の男性のほかに、一緒に訓練ををしていた消防士長の男性(31)に減給1/10 6か月、さらに管理や監督責任として副部長職や係長職の男性など6人に戒告や厳重注意の処分をしたということです。
呉市の 新原芳明 市長は、「パワー・ハラスメントが行われたことは誠に遺憾であり、市民の皆様に心からお詫び申し上げます。また、被害を受けた職員にもお詫び申し上げます。今後、このような事態を繰り返すことのないよう、市民の皆様の信頼回復に向けて、市役所全体としてハラスメントの再発防止に取り組んでまいります」とコメントしています。