メイドイン浪江の木材、大阪・関西万博のシンボルに…復興を世界へアピール 福島

来年開かれる大阪・関西万博の会場のシンボルともいえる「大屋根」に、福島県浪江町の企業が製造した建築木材が使用されることになっていて、26日、会場に向け運び出されました。

トラックに積み込まれる大量の木材。すべて、来年春に開幕する大阪・関西万博で使用されます。現在、建設が進む万博会場のシンボル「大屋根」。1周およそ2キロ、高さはおよそ20メートルと世界最大級の木造建築です。

浪江町で建築木材の生産を手がける「ウッドコア」は、大屋根の柱や梁の製造を行っていて、去年3月から現地に向け資材を運び出しています。

水津邦治アナウンサー「こちらが大屋根リングに使われる柱です。乾燥した板を張り合わせることで、曲がりやそりを軽減しているということです」

木材には「集成材」と呼ばれるものを使用していて、様々な木の板を特殊な接着剤で貼り合わせて作っています。強度の違う板を組み合わせることで、幅広い形状に対応した柱が作り出せるといいます。

ウッドコア・阿部孝紀生産管理部長「集成材の場合は板にして、長い方向につないだり、板の横同士を接着したり、大きな断面のものを作ることができる」

すでに運びこまれている木材には、県産のスギも使われていて、世界各国が集う万博で福島の復興をアピールできると期待されています。

阿部生産管理部長「被災地からこのような製品が運ばれて世界中の人に見てもらえるということで、復興が確実に進んでいるんだなということを感じていただけたらと思っています」

26日は、関西に向けてトラックによる最後の発送が行われ、およそ4500立方メートルのメイドイン浪江の木材が、万博のシンボルを支えることになります。浪江発の木材は、屋根全体の5分の1程度となり、会場の入り口付近に使われるということです。

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