凍霜害で果実が変色、落果…さつま町のウメ被害深刻、生産量8割減の見込み

(資料写真)

 鹿児島県内一の生産量を誇るさつま町のウメが、3月の凍霜害の影響で果実の変色や落果が深刻になっている。地域によってほぼ全滅の梅園もあり、今季の生産量は例年の7~8割減になる見込み。

 町によると、町内の約30ヘクタールで栽培しており、ほとんどが南高梅。例年5月ごろから収穫が始まり、2022年度の青果、加工用の生産量は計約260トン(4200万円)だった。

 町内では2日夜から3日朝や10、11日の早朝に氷点下を記録。今季は暖冬の影響でウメの開花が例年より早まっており、果実が最も寒さに弱い幼果期と重なったという。町は農家から被害状況の聞き取りを進めており、来季に向けて肥料や農薬代の補助を検討する。

 薩摩西郷梅生産組合(同町中津川)は37組合員が23ヘクタールで南高梅を生産し、例年約200トンを収穫する。防霜対策をした組合員もいたが被害は深刻で、今季の生産量は8割減の見通し。同組合の小坂晃弘センター長(51)は「これまで経験したことのない被害。今後の出荷にも大きく影響し、お客にも迷惑をかけるだろう」と危惧した。

凍霜害の影響でわずかな果実しか確認できないウメの木=25日、さつま町中津川
変色したウメの幼果=25日、さつま町中津川

© 株式会社南日本新聞社