全国初、古墳時代の「赤さや」確認 1.23mの大刀 島根・出雲の出土調査 鮮やかな染色技術あった証拠示す

鞘が赤色と判明した上塩冶築山古墳の「金銀装捩環頭大刀」(上)と復元品=出雲弥生の森博物館提供

 島根県の出雲西部を古墳時代後期後半(6世紀末)に支配した大首長墓の上塩冶築山古墳(島根県出雲市上塩冶町)で見つかった大刀(たち)の鞘(さや)が、赤く塗られていたことが分かった。当時の鞘としては全国初の事例で、出雲市が26日に発表した。同古墳に葬られた出雲の豪族が、大王に仕えるなど大和でも非常に高い地位を占めていた姿を伝えると共に、当時の日本に鮮やかな染色技術があった物証となる。

 赤鞘の大刀は「金銀装捩環頭大刀(きんぎんそうねじりかんとうたち)」で、長さは推定1メートル23センチ。儀式用に使われたものとされる。出雲弥生の森博物館(出雲市大津町)が所蔵し、2022年から奈良県立橿原考古学研究所(奈良県橿原市)と共同で実施したX線や顕微鏡を使った科学調査により、2月中旬に判明した。

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