今年の地価が公示され、住宅地の変動率は2年連続で上昇し、商業地は31年続いた下落から横ばいに転じました。大きな動きがあったのは海外からも人気の白馬村。住宅地・商業地とも上昇率は長野県内トップで、特に商業地は3割も上昇し全国でも4位です。
「公示地価」は土地取引の目安で、県内の住宅地の平均変動率は0.4%と2年連続で上昇しました。
商業地は2023年と変わらず、バブル崩壊後の1993年から31年続いた下落から横這いに転じました。
住宅地のトップは軽井沢町の「旧軽井沢別荘地」で、1平方メートルあたり14万9000円。
商業地は長野駅前の「浪やビル」で、1平方メートルあたり36万円でした。
大幅に上がったのが白馬村です。
(記者リポート)
「白馬村はインバウンドからの人気が高く、価格の上昇率は商業地も住宅地も県内トップとなりました」
パウダースノーを滑れると国内外から人気の白馬村。
県内の上昇率トップは住宅地が「みそら野別荘地」で、19.5%は全国でも8位でした。
商業地は「白馬八方尾根スキー場 名木山ゲレンデ東」の30.2%。半導体工場が進出した熊本や北海道の調査地点に次ぐ全国4位でした。
地元の不動産業者によると、村内の土地への問い合わせが2023年のコロナ明けから急増したと言います。
さくら不動産・有井美彩さん:
「円安ということもあって日本の不動産はかなり注目されていて、お客さまが求められる条件はいくつかあって、まずスキー場のゲレンデの近くであること。その次が飲食店が近くて、アフタースキーが楽しめるところが人気。そういった条件を満たしているのが八方とエコーランド」
動き出している事業の特徴と言えるのが「高級志向」。
スキー場や飲食店街が近い「エコーランド」エリアでは、横浜にある開発業者によるホテルコンドミニアムが12月のオープンを目指しています。
価格は8000万円から2億円を超える物まであり、国内のほか海外からの問い合わせも多いといいます。
八方尾根スキー場に近い森ではシンガポール資本の5つ星高級ホテル「バンヤンツリー」が4年後の開業を目指しています。さくら不動産が10年がかりで地権者との交渉をまとめ、東京の企業が開発を進めています。
さくら不動産・有井美彩さん:
「今までに5つ星級のラグジュアリーホテルは白馬村になかったので、白馬村の発展のためにそういった開発が必要だと思います」
人気の一方で、実際に売りに出る土地が少ないことも大幅な値上がりの背景にあるといいます。
このほか、商業地では県内の上昇率4位に来年秋開業予定の須坂市のイオンモール近くの土地が入りました。
5位の長野市の中央通り沿いでは調査地点の向かいでマンションの建設が進んでいて、最近の経済活動を反映した結果となっています。