「大谷翔平はすべての疑問に答える必要がある」賭博問題の4つのポイントを米記者が指摘「元通訳の責任なのなら、なぜ…」

水原一平氏の賭博問題について、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平が現地3月25日に声明を発表。「信頼していた方の過ちは悲しく、ショックです。今はそう感じています」と心境を明かし、「僕自身が何かに賭けたり、それを頼んだこともない。僕の口座からブックメーカーに対して送金を依頼したこともありません」と、自らの賭博疑惑を完全に否定した。

元通訳が賭博を行なっていたことについては、「数日前まで、彼がそういうことをしていたのはまったく知りませんでした。ギャンブル依存症も知らなかったし、借金していたことも知らなかった」と、水原氏のギャンブル行為自体が初耳だったと語っている。

「シーズンも本格的にスタートするので、ここからは弁護士にお任せし、僕自身も警察当局に全面的に協力したい。気持ちを切り替えるのは難しいですが、お話できて良かったと思っている」と話した大谷は事前発表のとおり、メディアからの質問を受け付けずに会場を後にした。

それでも、この賭博問題には明らかになっていない部分がある。米メディア『FanSided』のザカリー・ロットマン記者は3月25日の記事で、「大谷翔平はすべての疑問に答える必要がある」と指摘。「メディアの立ち入りが禁止されたため、まだ明らかになっていない疑問がある」として、4つのポイントを記載した。
ひとつは、「なぜ、メディアからの質問を拒否したのか?」という点だ。「大谷が会見をするとアナウンスがあった時、誰もがメディアの質問に答えるものだと思った。しかし、メディアとの質疑応答がなかった。なぜ? 大谷本人は完全に無実で、すべての責任は水原氏にあると示唆した。それなら、なぜ質問を避けたり、メディアから隠れないといけないのか。潔白を主張する人物の行動としては奇妙だ」。

ふたつ目の疑問は、「なぜ、自分の銀行口座から450万ドル(6億8000万円)がなくなっていることに気付かなかったのか」。「水原氏は、おそらく450万ドル以上を盗んだ疑いで告発された。大谷にとって“大金ではない”のかもしれないが、しかし世間的には莫大な金額だ。銀行側はカネの動きについて、大谷に何も知らせなかったのか? 本人の承認がないまま、どうやって多額の振込ができたのか。まったく常軌を逸している」と記している。

3つ目に挙げたのは、「水原氏がどうやって大谷の銀行口座にアクセスできたのか」という点だ。「大谷本人が何もしていないのなら、水原氏が大谷の口座にアクセスしていたことになる。そもそも、他人の口座にどのようにアクセスしたのか。ふたりが親友だったのは周知の事実だが、誰が他人に自分の口座のアクセス権を与えるのだろうか。大谷はパスワードを教えていたのだろうか。水原氏がパスワードを推測したのか? その銀行は多要素認証を導入していないのか? とにかく奇妙な話だ」と疑問を呈した。

4つ目は、「なぜ、途中で話が変わってしまったのか」。「当初、大谷のスポークスマンの話では、大谷が水原氏の借金の返済に同意したというものだった。その後に、水原氏が大谷から大金を盗んだという話になった。しかし、大谷は送金に同意しておらず、水原氏がギャンブル依存症だったことも知らなかった」と書いたロットマン記者は、「水原氏は長い期間にわたって、どのようにして、このようなことをやってのけていたのか。どうやって周囲を騙していたのか。矛盾した報道が生まれる原因となった出来事について、大谷の見解を聞いてみたかった」とも記載。25日の声明発表時に、数々の疑問がクリアにならなかった点を残念がった。

構成●THE DIGEST編集部

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