玄海海中展望塔4月1日リニューアル リアルとバーチャル融合

プロジェクションマッピングを導入し、リアルとバーチャルを融合した海中空間が楽しめる玄海海中展望塔=唐津市鎮西町

 玄海国定公園の波戸岬(唐津市鎮西町)にある「玄海海中展望塔」が4月1日、リニューアルオープンする。全国に7カ所ある海中展望塔では初めてとなるプロジェクションマッピングを導入し、リアルとバーチャルを融合させた新しいデジタル空間を演出する。

 展望塔は日本海側で唯一の海中展望塔として1974(昭和49)年に開館。ピーク時の94年度には年間約17万人が訪れていたが、その後は減少傾向となり、近年は新型コロナの影響で2万人台にとどまっていた。老朽化に伴い、開館後初の大規模改修を実施、23年9月から半年間休館した。

 展望塔内にはプロジェクター20台を導入し、360度をスクリーンとした。映像ではクロダイやイカなど波戸岬周辺で見られる約45種類の魚を紹介。窓と窓の間や螺旋(らせん)階段に鏡を張り、周囲の映像が映り込むと幻想的な空間が広がる。リニューアルに関する総事業費は約1億3500万円。

 県は23年11月に開通した唐房バイパスを含む約20キロの海沿いの道を「ルート・グランブルー」と名付け、波戸岬はその終点となる。年間10万人の来館者数を目指しており、峰達郎市長は「新しくなった海中展望塔を体感してもらい、西北部地区の観光の拠点となることを期待したい」と話す。

 年中無休(荒天時は休業)。入場料は高校生以上千円、小中学生500円、未就学児無料。問い合わせは市鎮西市民センター産業・教育課、電話0955(53)7155。(松岡蒼大)

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