【3/27~4/9は絵本週間】もう悩まない! 絵本選びで覚えておきたい「8つのポイント」

3月27日〜4月9日は「絵本週間」。毎年、「国際子どもの本の日」である4月2日の前後2週間に設けられた記念日です。今回はそれにちなんで、絵本の楽しさをぐんと広げてくれるおすすめを何冊かご紹介します。子どもにとっておもしろい絵本は、大人にとってもおもしろい! 「絵本週間」を機会に、絵本の魅力をもっと発見してみませんか。

「絵本週間」とは?

毎年4月2日は、童話作家アンデルセンの誕生日にちなんで「国際子どもの本の日」となっています。子どもに本のよろこびを、大人にも子どもの本のおもしろさを伝えるため、1967年、IBBY(国際児童図書評議会)によって定められました。IBBYには84の国と地域が参加していて、この日は世界中で子どもと本のキャンペーンが開催されます。

毎年、IBBYに加盟する国が順番にメッセージとポスターを作成しているのですが、今年の担当は日本。『魔女の宅急便』シリーズで有名な国際アンデルセン賞作家の角野栄子さんがつづった子どもたちへのメッセージと、スロバキア在住の絵本作家の降矢ななさんが描いたポスターが世界中に貼られます。絵本を手にしたときのワクワクする気持ちが感じられる素敵なポスターは、近くの図書館でも見られるはず!

その4月2日をはさんだ、前後2週間(3/27~4/9)が「絵本週間」。社団法人全国学校図書館協議会によって、絵本文化の発展と、教育の場や家庭にいっそう「絵本読書」が定着することを願って設けられました。

参照:4月2日は、国際子どもの本の日です。 | JBBY

子どもも大人も楽しめる絵本の選び方

絵本はいつの時代も親子のコミュニケーションに有効。また、子どもだけが楽しむのではなくて、大人同士で絵本を贈ることも近頃では増えてきているそう。本屋さんや図書館のキッズコーナーに行くと、棚の上から下までたくさんの絵本がずらり。しかし、今まで絵本に親しみがない場合、どれを選べばいいのか迷ってしまうかもしれません。そこで、筆者が絵本を選ぶ際に意識している点を挙げていきますので、ぜひ参考にしてみてください。

1. 自分が興味を持った絵本を選ぶ

子どもって大人の気持ちをびっくりするほど敏感に感じ取ります。「子どものため」と思って大人が楽しくない絵本を選んでも、子どもは楽しむことができないと思います。また、自分が気に入った絵本なら、誰でも上手に朗読ができるものです。まずは、自分が興味を持って、読んでみたい絵本を選んでみることをおすすめします。

2. 昔からあるロングセラー/ベストセラーの絵本を選ぶ

自分が小さい頃に読んだ作品で、心に残っている絵本はありませんか? ロングセラー/ベストセラーの絵本はメッセージ性が強く心に残り、大人になっても記憶に残るのが特徴だそう。名作は繰り返し読んでも新しい発見があるので、親も飽きずに楽しむことができます。

3. シリーズものの絵本を選ぶ

「ぐりとぐら」、「パムとケロ」、「ノラネコぐんだん」しかり、海外ものだと「バーバパパ」、「おさるのジョージ」、「パディントン」しかり、多くの人に愛され続けるシリーズ絵本は、続きを読まずにいられない魅力があります。主人公を身近な友だちのように感じられる醍醐味を味わえます。

4. 子どもが気に入った絵本を選ぶ

本屋さんや図書館で子どもが手を伸ばすのは、意外な絵本だったりします。かわいいタッチの絵柄のものだけでなく、リアルでちょっと怖い描写の絵を選ぶことも。

また、子どもが今興味を持っているジャンルのものを選ぶのも手。この間までは電車や虫に夢中だったのに、今は宇宙に興味津々だったり、子どもの時間軸って大人よりずっと早いスピードで変化している気がします。そのときどきの成長に合わせて楽しめるものを意識すると、絵本への食いつきが違います。

5. 季節や行事にちなんだ絵本を選ぶ

日本には、四季にあわせて季節を感じられる伝統行事がたくさんあります。「ひなまつり」、「こどもの日」、「七夕」、「お正月」などなど。また、ハロウィンやクリスマスには、本屋さんにも特設コーナーができ、おばけやサンタクロースなどをテーマにした絵本がたくさん並びます。シーズンテーマに乗っかる形で絵本を選ぶことで行事はますます楽しくなり、季節の学びも得られるはず。

6. 裏表紙にある“年齢表示”を目安に選ぶ

絵本のなかには、裏表紙に「読んであげるなら3歳から、自分で読むなら小学校初級むき」などといった対象年齢表示がある場合があります。絵本をプレゼントに選ぶ際などは、筆者も目安としてチェックします。

ただし、子どもは実際の年齢よりも上のものでも楽しめたり、逆に低いものを好む場合もあります。決めつけずにあくまで目安として、文字のボリュームなどを参考にすることができます。

7. 絵本賞から選ぶ

書店の児童書の担当者らプロが選ぶ賞、子ども自身が投票する賞などなど。これらに選ばれた絵本は間違いなくおもしろい!

MOE絵本屋さん大賞

|絵本のある暮らし|月刊MOE 毎月3日発売

絵本のある暮らしを提案する『月刊MOE』(白泉社)が、全国の絵本専門店・書店の児童書売り場担当者3000人にアンケートを実施し、最も支持された絵本30冊を決定する年間絵本ランキング。

TSUTAYAえほん大賞

第4回TSUTAYAえほん大賞受賞作発表! 1位は柴田ケイコさん『パンどろぼう おにぎりぼうやのたびだち』! | ARTICLE

全国のTSUTAYA・蔦屋書店の児童書に関わる担当者が、「自分の子どもに読み継ぎたい・語り継いでいきたい50年後も読まれている作品をTSUTAYAで育てていきたい」という願いを込めて、直近1年間に出版された絵本の中から作品を選出する絵本賞。

リブロ絵本大賞

第14回リブロ絵本大賞決定!

毎年8月から翌7月の間に刊行された絵本を対象に、リブロ、パルコブックセンターほか各店の児童書担当者による推薦をもとに10作を候補作として選定し、社内投票により大賞を選出。

小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙

小学生がえらぶ!“こどもの本” 総選挙

小学生に「1番好きな本」への投票を呼びかけ、選ばれた本のランキングをこどもたちと発表するイベント。年度のはじめからスタートして、年度の最後に発表というスケジュールで、投票用紙は小学校などで配布される。

8. 本屋さんの新作コーナーから選ぶ

年間約2000冊もの絵本が発行されますが、書店では工夫をこらして新作が紹介されます。プロがセレクトした絵本から新しい発見があるかも!

【絵本賞から選ぶ】おすすめ絵本

『パンどろぼう おにぎりぼうやのたびだち』KADOKAWA

おにぎり屋を営むおにぎり一家の”おにぎりぼうや”は、毎日毎日おにぎりばかりの食卓にうんざり。ついに家を飛び出したその先で、旅人のおじさんから見知らぬ食べものをすすめられます。「う…うまい」その食べものとは!? 『パンどろぼう』シリーズ第4弾、第4回TSUTAYAえほん大賞1位。

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小学2年生の感想
「パンどろぼうっておにぎり屋の子どもだったんだ!? パンもおにぎりもどっちもおいしくて選べないけど、お父さんと違う自分の決めた道を行くおにぎりぼうやはカッコいいよ!」


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『りんごかもしれない』ブロンズ新社

テーブルの上にりんごがおいてあった。でも、もしかしたら、これはりんごじゃないかもしれない!? ひとつのりんごをめぐって、次から次へと繰り広げられる、不思議でユニークな世界。哲学?妄想?発想力? かんがえる頭があれば、世の中は果てしなくおもしろい! ヨシタケシンスケさんの大ヒットデビュー作。第4回「小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙」1位。

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小学2年生の感想
「りんごひとつでいろんな想像をしているところがおもしろい。私の大好きないちごにもいちご星人がいるのかも! 見ていないところで、つぶつぶが動いているのかも! と思って、思わず虫眼鏡でのぞいちゃいました」


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『大ピンチずかん2』小学館

「きみはごはんつぶをふんだことはあるか?」、「外でズボンのゴムが切れたことは?」。絵本賞を総なめした『大ピンチずかん』の第2弾は、日常の生活の中で、ふとした拍子に突然やってくる大ピンチを、レベル順に掲載するのはそのままに、新たに採用した6つの要素の大ピンチグラフから解き明かす。ドキドキ、イライラ、それともはずかしい? 理由がわかれば、おそれることはない。そしてきみたちは気づくはずだ。そう、この時点でもうピンチですらないことを。期待を裏切らない“のりたけワールド”炸裂で、鋭くもあたたかい観察眼と、思わずふき出すユーモアにあふれた1冊。

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小学2年生の感想
「大ピンチが“あるある”でおもしろい! 第一弾も持っているけど、第二弾はもっとリアル。私にとっては大ピンチじゃないこともあるけど、「おかあさんがイライラしている」はやっぱり大ピンチ!」

【本屋さんの新作コーナーから選ぶ】おすすめ絵本

『ユメノシティ』フレーベル館

「ぼくといっしょに、ユメくんが描いた空想のまち『ユメノシティ』を旅しよう!」。あるひ、ユメくんが描いた絵から、えんぴついぬのペンシルが飛び出してきて、ユメくんとペンシルはあっという間に絵のなかに吸い込まれてしまって…? SNSで大人気の現役美大生イラストレーター・こたが、初めてペン画で制作。12空想都市を巡る、夢とワクワク、想像力がたっぷりつまった、アーティスティックな“探し絵本”。

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小学2年生の感想
「きれいな色の細かい絵は、探すことも楽しいけど、見れば見るほどいろんな発見がある。未来の街やお菓子の街を想像すると楽しいし、コタとペンシルと一緒に上からのぞいているような感じでワクワクする。イルカやジンベイザメと恐竜が泳ぐ海の底の街がとくにお気に入り」


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『そうじきのなかのボンボン』フレーベル館

古い掃除機のなかで暮らす、ボンボンとボンボンパパ。掃除機が吸い込んだ“おもしろいもの”を使っておうちを作ります。ところがついに掃除機が壊れてしまい、どこかへ運ばれるボンボンたち。突然、光が差しこんできたその先には……。世界にはまだ、誰も知らない不思議とすてきがいっぱい! スペインで絵本作家デビューした著者による、日本初作品。

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小学2年生の感想
「ボンボンたちは、ほこりの妖精!? 影がちょっと怖いところが気になった。掃除機のなかなんて汚いイメージしかないけど、ボンボンたちみたいにゴミを工夫して使うのってなんだか楽しそう」

まとめ

出版不況といわれるなかで、少子化でもあるのに関わらず絵本市場は好調だそう。絵本の削ぎ落とされたミニマムな文章は、子どもにはもちろん大人が読んでも想像力を刺激され、美しいビジュアルはアートのようにインテリアに取り入れてもいいですよね。形や紙の質感、色彩など自由だからこそ、最近ではさまざまな分野のクリエーターが絵本を出しています。 読み聞かせをせがまれると、正直めんどくさい……と思ってしまいますが、動画やゲームばかり夢中になりがちな子どもにとっても、それだけ魅力的なものなのかも。子どもも大人もおもしろいと思える絵本を、まずは探すことから楽しんでしまうといいかもしれませんね。 文/Ai Kano

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